2014年12月24日

午前三時三十分の目覚め。性欲と尿意という快感を放出して再度布団に入る。横向きになり顎関節への負担を感じつつ、妄想と記憶の奔流の中に身を投じる。暗闇の底へ、透明な底にぶら下がったペニスが触れ、火花を散らす。

午前七時の起床。上窓に複雑な雲と陽が散っている。不自然な格好で寝入り脚が痺れ立てない。煙草を吸い、シャワーを浴び、着替え、煙草を吸い、イヤフォンを耳に埋め込み、自宅を出る。

Rinbjo「戒厳令」。今日はクリスマスイブで歯医者に寄る用事がある。

朝の挨拶に路上に立つ高校生。まだ彼等に冬休みは来ていない。駅構内に向かう階段を駆ける青いスエードのパンプス。サルエルパンツに付いたふぐりのような丸い尻尾が揺れる。

満員電車に身体を押し込み横に立った男性の金色のイヤリングに目を奪われ、身体を押し込む女性の香水が鼻を衝く。電車を降りると音楽が電池切れにて強制終了。仕方無く鞄から取り出した有線イヤフォンを解きスマートフォンに繋ぐ。着いたばかりの電車にエスカレーターから身体を滑り込ませる。

路上に出ると外国人のモデルがポーズを決め、それを大勢の人が見守る。カメラマンが中腰でカメラを構える。それは戦場でスコープを覗き込む狙撃手に似て、引鉄は引かれ、連続するシャッター音が鳴り、鉛の塊がモデルに一秒に五回撃ち込まれる。

昼休み。いつもの喫茶店でコーヒーを飲み、あんぱんを食べ、煙草を吸う。下腹部に便意を感じつつ吸う煙草は味が覚束ない。

クリスマスイブとクリスマスに対して俺は因果関係も相関関係も無い。

電車に満ち始めたコーヒーの匂い。

「あなたはしっかりとした横顔をしている。」「日本人には少ない横顔です。」と口腔外科の医師は言う。顎間接を外側と内側から確認した後、骨の間接についてのレクチャー。「最近は原因が判らない症状が多くてね。昔からあった訳だけど…」「鏡を見て下さい。顔がどちらかにずれていませんか?」「人の身体に癖があります。」「骨の間接には三点だけ特別なものがあります。一つ目は骨盤、二つ目は肩、三つ目は顎関節です。」「顎関節は骨が骨を包み込む形で左右が同じ動きをする事で口が開くのです。」「眠っている時に歯ぎしりをする事で顎関節が負担を受けているのだと思います。」「今後は朝を起きたら顎の運動をして頂きます。またマニュビレーションで顎の位置を自分で整えて下さい。」「ナイトピースを使うかは今後考えましよう。」「ナイトピースは使った場合、三ヶ月位使用して貰います。それ以上使うと依存症を引き起こす事もあります。」

友人からの電話。接客業の彼は昨日今日の休日を最後に年明けまで連続出勤する事になるという。シフトに入ってくれるアルバイトはいないのかと尋ねると「いや、俺は出なくちゃいけないんだよ。」と諦めの答え。今ハマっているというゲームやらの本の話を聞き電話が切られる。