目覚めの良い朝だった。もっと眠る事が出来ればなお良い。
自宅を出ると小雨が降り始めた。もう一度鍵を開け傘を取り出す。
公園で出社前の一服。ふと曇り空のなか俺もいつかこの世から消えるのだなと思う。一日に二三回位死にたいと思っていながらも、死ぬのが惜しくなってくるのを勝手なものだと思う。
書類を眺めていると子ども染みた付箋を見つけ緊張の糸が途切れる。
帰りに映画でも観に行こうかと思ったが中途半端な残業をしてしまいそのまま帰る事にする。
雨に濡れ傘を差す。
ヒールにあしらわれた花模様のビーズ。
夕食を取ったのち寝入ってしまう。高校の部活を辞めた後も気にしているという夢だった。たかだか十代の二年間程度の出来事が未だに夢に現れる。