2014年10月17日

午前三時三十分、もしくは午前四時三十分に目が覚める。まだ外は暗い。勉強の合間に休憩を入れ少し横になっている間に眠ってしまったらしい。もう肌寒い。窓を閉める。上段の窓から入り込む外の空気。新聞配達のバイクがアパートの前を走って行く。仕方無く布団の前にノートパソコンを引きずり出しディスプレイを眺める。直ぐに飽き勉強の続きに取り掛かる。午前六時を過ぎ、出掛ける支度に取り掛かる。

よく見掛ける高校生が学ランを羽織っている。今思えばこの時間は学校が始まるにはまだ早い。手元にいつも単語帳を持っているのを見ると朝の小テストの対策でもしているのだろう。混雑する電車と駅から学校までの登校の喧しさを避け、静かな教室で単語帳を眺める姿が目に浮かぶ。その静けさは知らぬ間に彼に染みついてしまうだろう。ある時その静けさを求めても何処にも無い事に気がつくのだ。代わりに手に入れたつもりの静けさはかりそめに過ぎない。幾つもの静けさを通り過ぎて彼は退行し成熟する。

長期休暇を戻った上司からお土産を貰う。お菓子、砂糖、シャンプー。必要の無いものばかりだが、豊かさとは無駄なものを持つという事だろうか。

残業を行い、中途半端に残ってしまった為に上司に飲み屋に誘われるものの、友人との用事がある旨を伝え事務所を出た後、別れる。