『ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』

手塚昌明監督作品『ゴジラ×メカゴジラ』『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』を観た。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は『ゴジラ×メカゴジラ』の続編であり、ゴジラ第一作以降、モスラ、ガイラ、サンダ、ガイラ、エビラ等の巨大な怪獣に日本が襲撃されたという設定である。

千葉県館山沖にて第一作ゴジラの骨格が自衛隊によりサルベージされる。同時に新たなゴジラが日本を襲撃、対特殊生物自衛隊は怪獣に有効とされたメーサー殺獣光線車で迎え撃つがゴジラに歯が立たない。優秀なオペレーターである釈由美子演じる女性自衛隊員は、自らの失敗が引鉄となり仲間たちをゴジラに殺されてしまう。
政府は新たなゴジラの出現に対し、回収したゴジラの骨格を用いてサイボーグ型対ゴジラ兵器機龍の製造を始める。一方、資料課に転属された女性自衛隊員は、上官からの推薦により機龍のパイロット候補となる。
機龍が完成、テスト起動が開始されるなか、再度ゴジラが日本に上陸する。これを迎え撃つ機龍。ゴジラを追い詰めるなか、ゴジラの咆哮に反応し暴走する機龍。機龍は燃料切れになるまで街の破壊を続ける。

機龍=メカゴジラゴジラのサイボーグであり、暴走するというのはエヴァンゲリオン的な設定を彷彿とさせる。ちなみに機龍の操縦は飛行機から操作する仕様になっており、割と理に適った設定である。劇場公開時、釈由美子の演技に対する評価が非常に高かったようだが、これには納得出来た。次作に登場する吉岡美穂の演技を比べると尚更である。

再度出現するゴジラ、暴走を心配されるなか技術者たちの活躍と特生自衛隊隊長の直訴により機龍が出動、ゴジラとの戦いが品川で始まる。

最後の戦いで田中美里や永島敏行が前作の縁でチョイ役で出演、またもゴジラに永島敏行が殺されるのかと思いきや、女性自衛隊員が空中で機龍を発射させゴジラに体当たり、難を逃れる。ここでゴジラと熱い戦いが繰り広げられる。最終的には操作不能になった機龍に釈由美子が直接搭乗、ゴジラと決死の戦いを繰り広げる。
ミリタリー的な雰囲気で面白かったと思う。


ゴジラ×メカゴジラ』の続編であり、「モスラ」が登場。しかも初代モスラの続編というかたちを取り、インファント島を調査した言語学者中條信一が登場する。
モスラが突如太平洋から日本に向かう。軽井沢に滞在していた老いた中條信一に「久しぶりですね」と声を掛ける小美人演じる長澤まさみ大塚千弘。そしてゴジラの骨格を使用した機龍=メカゴジラは生命への冒涜であり、海に放棄しなければならないという。その場に居合わせた中條信一の甥で機龍の整備士義人は機龍こそゴジラ対策に必要であると主張する。一方、前作で損害を被った機龍は整備が急がれていた。しかし、機龍こそゴジラを日本に呼び寄せる原因なのではないかと案じる者もいた。中條信一は小美人からの願いを元友人であった総理に伝えるもゴジラの脅威に対して機龍を破棄する事は出来ないという。

お久しぶりですと中條信一の前に現れる小美人、胸熱である。しかも長澤まさみが小美人だったと全く知らなかった。東宝枠なんだろう。どうやら昔の小美人は同族の別の人たちという設定であるらしい。平成ゴジラのコスモスとも当たり前だが別物だ。しかし今更メカゴジラは冒涜だとかご申告してくれる小美人お前らは一体何様なんだという気がしなくもない。

ゴジラが再度品川に上陸、機龍が格納された八王子を進路に取る。そんななかモスラが登場、ゴジラと戦いを繰り広げる。

平成モスラは光線を触覚から出していた気がするが、今回のモスラはスピードだして突っ込んだり、羽を羽ばたかせて足止めしたり、決死の鱗粉撒き攻撃の形を取る。やはり飛び道具が出せないと駄目なのか、ゴジラが優勢である。

この状況を鑑みた総理は機龍の出撃を決める。例え以前日本を破壊したモスラであっても、日本を守るため戦う者を見捨てる事は出来ないというのだ。機龍出撃、釈由美子は序盤でアメリカに行ったので他のエリートパイロットが搭乗、機龍を操縦する。一方、小笠原諸島ではモスラが日本を守る為に残したモスラの卵の孵化に際し、小美人が祈りを捧げていた。長澤まさみ大塚千弘モスラの唄を熱唱、「ドゥンガカサクヤ~イドゥンヌ~」、卵から孵化したのは双子のモスラの幼虫であった。

ゴジラと機龍が戦うなか、機龍を守るためモスラは散る。そして双子のモスラの幼虫がゴジラと戦う。そんななか中條信一とその孫を助ける為、東京に来た義人は、操作不能になった機龍の復旧を願い出る。小美人に導かれ機龍に辿り着いた義人。故障を回復させるも機龍から出られないという状況に陥る。

そもそも機龍の現地整備が出来ないという状況がおかしいのではないかというツッコミが入れたくなるが放射能の関係で無理なのだと思っておく。しかしよく操作不能になるメカゴジラだが、結局ゴジラを倒すのも人の操縦ではなくメカゴジラの意志である。

機龍とモスラによるタッグでゴジラは繭に包まれる。ゴジラにトドメを刺そうとしたところ、操縦不能になる機龍。機龍はゴジラ捕獲し海を目指す。

ちゃんとアンカーでゴジラを捕獲する辺りに平成ゴジラのメカ系怪獣の系譜を属しているところが確認出来て満足。義人は機龍と特生自衛隊のエリートパイロットと吉岡美穂に助けられる。ここが吉岡美穂の一番良いシーンである。日本海溝に沈むゴジラと機龍。モスラがどうなったかは知らん。

最後、サイボーグゴジラはいかんよねという結論がついたところでエンドロールの後、ゴジラやらのDNAが保管されたカプセルが大写しに。対特殊生物自衛隊が保管しているらしい。一体本作の教訓は何だったのか、人間はいかに愚かなのか、骨格は駄目だけど遺伝子はOKなのか小美人よ、この感じでビオランテが出現するのか等色々思った。
こちらは金子昇吉岡美穂の演技がイマイチな気がしたけど、どうなんでしょう。まぁ長澤まさみの小美人が観れたから満足だけど。