新しき世界

パク=フンジョン監督作品『新しき世界』を観た。
犯罪組織に潜入捜査官として加わり、組織No.2の右腕になった男。組織の会長が死に後継者争いが起きる。警察はこれに乗じて犯罪組織の弱体化を図るべく後継者争いに介入する。

裏切り者への暴力、死体をコンクリート詰めにされたドラム缶が海に転がり沈む様。脂ぎった男たちの権力の抗争、上司の無慈悲な命令、潜入捜査官はただただ振り回され、警察からも組織からも疑われるという状況に陥る。
しかし、潜入捜査官は、妊娠した妻―実は潜入捜査官を監視すべく警察側が送り込んだ女性なのだが―が抗争に対する恐怖で流産するという事態、そして兄貴分が潜入捜査官である事を知りながら死の間際に「組織か警察、どちらかを選べ」と選択を促した事によって、決断する。振り回された潜入捜査官の徹底したマフィア的な思考の下準備のもとで新しき世界が誕生する。

鈍器での殴り合い、徹底的なリンチ、粛清、とことんきちんと描いていて痒いところに手が届くエンターテイメントなヤクザ映画だった。韓国映画という事が要因なのかマフィア映画の割に女性客が多かったと思う。