2014年3月20日

コタツで眠ってしまい実家で夏みかんを食べる夢を見た。椎名誠私小説「ハーケンと夏みかん」は、彼の友人であり「うま下手絵」を描く沢野ひとしと千葉県唯一の山「鋸山」を登ろうする話だ。
シャワーを浴びて布団に入る。学年集会で柔道部顧問の赤江珠緒が背負い投げを決めた事を披瀝するが、背負い投げを決められた人物が死ななかったから問題にならなかったと俺が糾弾する夢だった。最近久方ぶりに会った友人は柔道部に所属し現在は柔道整復師を生業としている。鈍感そうな顔をした彼は実は繊細な性格である事は知っているが、彼に身体を任せる事は友人である事によって何と無く躊躇われる。これはちょっとした機会の損失だと思う。

電車を待っていると中年の男性の大きな笑い声が聞こえた。振り返ると彼は満面の笑みをたたえていた。その顔を見て何だか面白くなってきてしまった。ふと日焼けした父の顔を見て「南の国のカメハメハ大王」と評した姉の言葉を思い出した。俺は朝から一体何を考えて笑っているのだろう。

「WILDERNESS EXPERIENCE 」なるバッグを正面に抱えた青年がいる。厳めしい大きなバッグだ。何を持ち運ばなければならないのだろう?ブランド名を入力して並んだ画像を見てブラウザを閉じる。

今日はあいにくの雨だ。おかげで花粉が飛んでいない。傘を畳んで濡れた手が煩わしい。ドブ川のドブざらい。誘われた飲み会を断り切れなかった。仕事を終えてしまい、手持ち無沙汰になり仕方なく事務所を出る。帰れば良かったと後悔する。二十分程待ち、新入社員をつれて上司がやってきた。新入社員と話せる機会があるなら来て良かったかもしれない。話を聞いてみると年下では無く年上だという。会社の噂はアテにならない。
飲み会から二時間経過した。そろそろ潮時だ。同じ話が二度聞こえてくるようになった。そもそもアルコールに弱い事を伝えているので咎められる事もない。

駅の構内で睦み合う男女を視界の端に捉えつつ改札を目指す。駅を出ると子どもと母親が父の帰りを出迎えている。子どもたちのはしゃぐ様が微笑ましい。先程視界の端に捉えた男女たちがこういった幸福な光景をかたちづくる事が出来るなら、あながち馬鹿にしたものでは無いと、悲しいかな他人事のように思った。