望月智充監督作品『海がきこえる』を観た。
大学生位の昔の恥ずかしい話という程度の印象を持っていた。しかし物語は大学生の青年が同窓会に出席するに辺り、高校時代の思い出していくというものだった。
転校生を中心に物語が進むのだが、語り手は青年になる。それ故、語り手の転校生への思いは語り終えるまで明らかにされない。つまりこの物語は彼が転校生に向き合う為の物語だったのだ。但し、青年の同級生は彼の転校生への気持ちを語ってみせる。それに対して青年は沈黙し、波の音しか聴こえない…ああ、語り手が必ずしも全てを語る訳ではないと私は気がつくのだった。
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