よしなしごと

今年のよしなしごとを書き綴ってみようと思う。
年末ジャンボ宝くじを買っておけばよかったかなと当選番号の発表があった事を知り思った。
今年はfacebookで同級生たちが結婚したり、その準備をしている事を知った。
職場の屋上から晴天時に見える富士山を眺めながら、果たして今の生活がいつまで続くのと宛もなく思い、そういえば今年何本煙草を吸ったのかと、何かあれば吸い、何も無くても吸ったのだと。
煙草一本を箱から取り出すと「その煙草はなんだ」と尋ねられ「360円の安い煙草なんです。近所のコンビニで売っているので。どうせ味の善し悪しも判りませんし」と。
白髪を見つけ気にする人を見ながら、疲弊していく身体を見せつけられるからなのだとトイレの鏡に映した白髪を見ながら気づき、毎日を一つ返事で過ごす事にはもう慣れたと、それが大人というものだと自分に言い聞かせながら、その言葉に抑えられた何かが噴き出すのではないかと。
言わずにはいられなかったのだろう言葉をひとしきり浴びながら、しかしそれはどうしようも無い事だと心のなかで反論して、一冊の本を読み終え、疲労と充足を感じながら目を瞑り、映画を観終え独りいそいそと劇場を後にする。
暗闇のなか顔を載せた腕の痺れを感じながら、狭いトイレの中で寒さと筋肉の強張りを感じながら、ポストに溜まったチラシをゴミ箱に乱暴に放りながら。
今年もたぶん生きていた。我ながら全く面白くも楽しくもないよしなしごとだと。