私の野望の見返りとして『トゥルー・グリット』

コーエン兄弟監督作品『トゥルー・グリット』を観た。

父の仇を討つ為、連邦捜査官を雇い過酷な経験をする娘の物語。
娘と言っても、唯の娘ではなく口が達者で強情な娘、思わずぶちたくなる、そういう娘。
余りに強情なものだから、仇を追うレンジャーを演じるマット=デイモンに尻をペンペンされるというシーンがあり、久し振りに本当のお尻ペンペンを観たなぁという感慨を得る事が出来ました。
娘は仇を討ちたいというだけあって裁判や法律に頼る気持ちは毛頭なく、私刑を望んでおり、私刑を望む故にそれ相当分の痛みを引き受けます。
それがこの物語の良いところだと思うのですが、『シリアスマン』を観た後だったので「今更因果応報ですか」という気になりましたが、この映画がリメイクである事や作品の時代背景を考えると妥当です。
作品の進み具合も、特段締まりがある訳でなく、インディアンの居住区という不毛な野原で偶然遭遇しちゃったので撃ちあい、待ち伏せしてたら味方が来ちゃって作戦変更、と非常に適当な感じが良く、これがアメリカンな西部劇かとも思いました。
現実はこういうものでしょう、この感じ、私とても好きです。