不可能性の時代

大澤真幸著『不可能性の時代』を読んだ。読み始めた理由を思い出してみると前掲書の後に『<自由>の条件』が発売されたことに興味を持ったからである。まず肩慣らしに文庫から、と手に取ったのだ。
内容を理解できたとは思えないが、「理想の時代」、「虚構の時代」、「不可能性の時代」の流れを考えていく過程において様々な事件、思想を手掛かりにしていく様は非常に面白い。私は「日本において戦争の敗戦による歴史の連続性の断絶」が実はなかったという記述が、あまりにも意外だったので、そこから勢いにのってこの本を読むことができた*1
六章目の多文化主義と原理主義の記述がほとんど頭に入ってこなかった。ここが個人敵な課題。
最近メディアでペシャワール会や河野義行氏について見ることがあったが、そのことについても触れられている。特にペシャワール会の動きに、大澤氏はどのように思っておられるのだろうか。

*1:日本の歴史の連続性の断絶は大きく分けて三回起きていると学んだ。一度目は「白村江の戦い」による敗北。二度目は明治維新。三度目は第二次世界大戦の日本の降伏だと。