Sweet Rain 死神の精度

『Sweet Rain 死神の精度』を観てきた。

伊坂幸太郎の作品は基本的に好きで、以前にも書いたが『死神の精度』は一番好きな作品である。では作品の映画化に興味があるのかというとそうでもない。どちらでもどうぞ、という気持ちではあった。しかし『アヒルと鴨のコインロッカー』の出来が非常によかったと聴いた時、観ればよかったとひたすら後悔した。そんなわけで、これからは映画化されれば観にいこうと思っています。

原作『死神の精度』は短編集である。そして少しずつ物語に関連がある。それは文章ではわかりづらい、時間軸をずらした構成によって成り立っている。映画もそれを用いて登場人物たちを関連付けている。音楽プレーヤーがカセットからアイポッド、そして人型お手伝いロボット(これには少し閉口したが、役の女優が妙に艶かしかった。奥田恵梨華というらしい。)が登場することによって時間軸の進展がわかる。映画は原作をうまく利用して、全く無駄のないつくりになっていた。ただ原作を知っていると驚きはないかもしれない。とはいえヤクザの物語はかなり面白いし、死神千葉の同僚に村上淳起用されてとてもよい感じである。そしてさっきもいったが原作の最終話「死神対老女」に登場する竹子が、お手伝いロボットになって登場する。たぶんこれが一番驚いたことだった。

なんとなくノスタルジックな、気分的にファイナルファンタジーⅥをやっているような気持ちになった。要するにおとぎ話だということだ。

追記20080404 エンドロールにスタイリスト伊賀大介と出ていた。たぶん原作も読んでいるのだろうな、どうでもよいけど。