ダーウィンの悪夢

『ダーウィンの悪夢』を観てくる。
ドキュメンタリー映画を映画館に足を運んで観るのは初めてのことだ。映画自体、ドキュメンタリーであるから淡々と進むように感じた。途中、不覚にも眠りそうになった。しかし映画に映される真実に私は呆然としていた。先進諸国がアフリカを食い物にしていることは、大方予想できる。なのでその内容についてどうこう言う気はない。それでも武器密輸の話にはかなりうんざりさせれたが。気になるのはヴィクトリア湖周辺の人々、特にストリートチルドレンの生活である。他のストリートチルドレンのリンチの対象から逃れるため、煙草を吸う。恐怖から逃れるため、発砲スチロールを燃やしその煙をドラッグがわりにする。恐怖から逃れるためこれらを行う子供たちをみて、『ドラゴンヘッド』という漫画のあるエピソードを思い出した。公安が避難民に配った食料には不安を取り除く力がある、というエピソードだ。あの時、わざわざ不安を取り除く食料を配る必要があるのか、と思った。しかしギリギリまでに追い込まれた人間に、不安から逃れることは重要なことのようだ。それはあのストリートチルドレンが如実に物語っている。よくよく考えてみれば『ドラゴンヘッド』を見ただけ十分恐怖から逃れることについて意味を理解できそうだが。

また作品中にでてくる、一つの言葉が印象的である。「We are part of big system」これは確か魚加工場でのシーンで出てくる。おそらく意味は工場の中で私たちは重要な一員である、というものだろう。しかしこの映画は「悪魔のグローバリゼーション」を描いたものである。なのでその意味はこの映画を観ている人々には違って映る。私たちは資本主義のグローバル化というシステムの一部分で、この映画に映し出される全てと繋がっている、ということを意味するのである。

前日、目的を持った読書はやめようと思ったが、上記の内容に関する読書をしてみようかなと思っている。