雑記(2014.3.11~)

2022年7月24日/偶然の一致

外出するにあたり、途中まで読み進めていたアイリス=オーウェンス著、渡辺佐智江 訳『アフター・クロード』を持ち出し、改めて冒頭から読んだ。本書は国書刊行会の「ドーキー・アーカイヴ」シリーズの第7回配本作品となり、本の惹句は以下の通り最高だ。 「…

2022年7月23日/音楽の聴き方

ジョン・コルベット 著、工藤遥 訳『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』を読んだのだが、もっと早く読めば良かったと思う良書だった。フリージャズの聴き方が判らないといった話をしたばかりだった友人にAmazonのリンクを送った。フリー・インプ…

2022年7月20日/再読する生活2

本棚から大学時代の病跡学や精神分析の講義の資料を見つけた。資料の中で目を引いたのは「暗い森」と題された朝日新聞の記事のスクラップだった。なお、その後に調べたところ、『暗い森―神戸連続児童殺傷事件』として書籍化されていた。スクラップを一通り読…

2022年7月18日/再読する生活

令和4年5月末、稲垣諭の『絶滅へようこそ 「終わり」からはじめる哲学入門』 を読み終えた。私の記憶に間違いがなければ、著者は私が大学3年生にあたりに助教授として赴任してきたと思う。特に講義を受ける機会は無かったものの、河本英夫が講義中に「彼は…

ロシアによるウクライナ軍事侵攻

天皇誕生日の祝日の翌日である2022年2月22日(木曜日)14時00分過ぎ頃、訪問先での仕事を終え、最寄駅から電車に乗ってスマートフォンを見るとロシアのプーチン大統領が軍事作戦を了承したとあった。軍事作戦の言葉の意味を飲み込めず、メッセンジャーアプリ…

2022年3月下旬~6月上旬

3月末、忙しさをどうにか誤魔化していたものの、初歩的な仕事のミスに気が付き、一気に気落ちしてしまった。こうなるともうどうしようもないのだが、一人で抱え込んで沈むことはもう何度も繰り返している。そこで友人たちに相談したところ、好きな作品を読ん…

2022年2月21日/経験を重視する立場に関して

自らの経験が重要であるという立場がある。しかしながら、身体が一つである以上、経験は非常に限られたものである。経験できる認識の主観は技術の進歩がしても現状一つしかなく、同じ時間軸上において並列に異なる経験をすることは、私が知る限り未だできて…

2022年1月22日/まん防下の喫茶店

小さなジャズ喫茶で若い男女がマスクを外して語らう。熱いカフェオレ、白いレアチーズケーキ、ニーナ=シモンの熱唱が彼らの声を掻き消す。隣に座った男女は片づけられたテーブルの上でこれからの予定をスマートフォン頼りに決めている。ビル=エヴァンスにB…

2022年1月3日/年末年始

1月2日にランニングをしていたところ、商店街で前方を歩く高齢の女性が転倒した。後方から確認する限り、膝が余り上がっていなかったように思う。おそらく頭部受傷は無く、特に問題は無いように思われた。なお、最悪の場合を想定するのではあれば脳内出血を…

2022年1月2日/ジョジョ第4部とガンダムWの共通点

『ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン』を読み終えた後、同じく杜王町を舞台とする『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』(以下、第4部と記す)を読んだ。また『新機動戦記ガンダムW』(以下、ガンダムWと記す)のTVシリーズの鑑賞…

2022年1月1日/卵黄入りかまぼこ

よく利用している喫茶店の年内営業日を知り、翌日の仕事の準備を終えた後に寄った。先客は二組いた。コロナ禍の影響は小さくなっているかもしれない。店主に「クリスマスにも仕事をするのか」と驚かれたものの、今日がクリスマスであることは全く意識してい…

2021年12月31日/鼻のかみ方

今年の6月からダイエットを目的として休日にランニングを開始した。ランニングは事故等を考えるとランニングコースの方が安全ではあるものの、位置情報ゲームの攻略も兼ねているため街にも出ている。巷で噂のゲーミフィケーションという訳である。何より同じ…

2021年12月26日/投影

先日の日記において以下のように記した。 昨今の事件において、加害者は死刑になるために人を殺そうと思ったと動機を語る。これらに鑑みると、加害者は自殺を断念した上、殺人や事故等の突発的な被害者になることを想定しておらず、自らを死に至らしめるのは…

2021年11月21日/コロナ禍における政治について

コロナウイルスに関してはっきりとした認識を持ったのが何時頃になるのか今となっては憶えていない。メールやSNSのやり取り等を確認する限り、2020年1月時点で私は今のような現状になるとは全く考えていなかった。当然ながら脅威という認識も無かった。おそ…

無題

「10年以上、特に生活が代わり映えしないんです。ええ、そうなんです。そりゃ10年もあれば色々あったんですけど、思い返すことができないっていうか…。例えば、親の顔や友人の顔なんかも鮮明に思い浮かべることってできないじゃないですか?それと同じです。…

2020年3月17日/令和2年の水曜日

長野県での仕事を終え、予定通り直帰することにした。帰りに一度行ったジャズ喫茶に寄ることにしたが、最寄駅の路線である西武新宿線が人身事故で停まっていることを知る。 新宿でミッドサマーでも観るべきかと上映時間を確認するとディレクターズカット版ま…

2020年1月9日/2019年の出来事

夏の終わりの夕立。アメダスの動きを確認して帰り時間を決める。台風19号の通過後、減量の為に運動と食事制限を始める。橋の上で語り合う男女をランニングの往路と復路で見掛ける。この男女にとって秋の夜の橋の上の出来事は長く短い人生にどんな意味を持つ…

2019年8月19日/蒸気の波に行きつ戻りつ航海リゾート

木澤佐登志著「ニック・ランドと反動主義」で取り上げられていたVaporwave(ヴェイバーウェイブ)に興味を持ち、Bandcampを漁っている。この夏の暑さと体調悪化に適当な音楽を探していたのだが、ただのノスタルジア、適度な雑多さ、平面的な音響…聴き手に求…

2019年8月15日/愚直なドラムスと立ち尽くす中年

公共施設前の路上で立ち尽くす中年の夏。8月半ばの午後9時過ぎの電車に乗り込むと虫取り網を座席の下に置いた少年と母親を見掛ける。そういえば休日の朝方にも公園で虫取り網を持った少年と母親が樹々を眺めていた。子どもが虫取りをしたいと言えば、虫取り…

2019年5月11日/冷静な生活

令和元年5月1日、皇居周辺の路上で警察車両を目にする。職場で仕事をしている間に夜となった。雨は昼頃から翌日の深夜まで降り続けたようだった。友人の喫茶店に赴く。帰宅中、電車内で子どもが大いに泣いていた。高尾駅のホームの照明に虫が群がっている。…

2019年5月8日/珈琲と東山梨

友人が開業した珈琲店に赴く。開店日は令和元年5月1日である。仕事であれば車や特急を利用するところだが、せっかくの休みである事や予算を考え、以前と同様に新宿から京王線と中央本線を利用した。なお、新宿から中央本線を利用するより京王線を利用した方…

2019年4月30日/平静な生活

ジムのサウナで眺めた民放の天気予報によれば明日は雨になるらしい。気象予報士は天気は平成から令和のように変わるものでは無く、今日の続きなのだという趣旨をおどけて述べた。天気だけでは無く、おおよそのことは年号の変更では変わりはしないはずである…

2019年3月23日/春、3月の地下迷宮

小川一水の天冥の標の最終巻を読み終える。長い物語の余韻に浸っている。スマートフォンの広告で知った、花黒子の駆除人を読み終える。漫画版の淡々とした内容が面白かったため原作の小説を読む事にした。小説家になろうというサイトに掲載された作品を読む…

2019年3月12日/8年後の3月11日

仕事の用事を済ませる事を理由に自宅をいつもより少しだけ遅く出る。小雨が降っており、傘を差すか迷い、往来に出た人々の様子を眺め、傘を差さない事に決める。駅を出て雨風に吹かれながら大通りを渡り、病院を目指す。書類の記入を終え、事務員の書類の決…

2019年3月10日/天王星が牡牛座へ

Apple Musicを始めて今まで金銭的な事情で聴いていなかった作品を聴いている。仕事を終えバスを待つ。たまたま暖かい日だったためコートを脱ぐ。バス停前のコミュニティセンターから多くの女性が出て来る。男性の姿は無い。平日の日中にコミュニティセンター…

2019年1月1日/いつでも、どこでも、だれとでも

新年早々、友人からメールが届き何かと思ったら福引でNintendo Switchを二千円で購入することができたらしい。早朝、久しぶりにランニングをした。スローペースで川沿いをなぞっていると、住宅街から雑煮の匂いが届くと共に朝日が昇った。2019年初の普段と変…

2018年12月23日/ヤクザ・警察・即興・宇宙・大久保の界隈

孤狼の血を観た。ヤクザと警察の過剰なバイオレンスを期待していたものの、あくまで警察ものの作品だと感じた。暴力に物足りなさを感じるのはアウトレイジの影響でフィクションの暴力を観る事に慣らされてしまったせいかもしれない。仕事の合間に喫茶店に赴…

2018年11月3日/投企

電車の車両を移動している際にドアが開いているにも関わらずドアを開けようという意識だけが先行した結果、ドアを閉めるという自体に陥り、透明なガラスに体当たりをする結果になった。 人はドアに付いた突起物をドアノブと認識して自然とドアを開ける事がで…

2018年9月24日/ホモ・ルーデンス

深町秋生の「インジョーカー」は外国人技能実習生の問題を扱っている。一方、ジェームズ=モンタギューの「億万長者サッカークラブ」は中東の出稼ぎ労働者のカファラ制度を取り上げている。どちらも現代の奴隷制度と言われている。 ふと、古代ギリシアの哲学…

2018年8月20日/如才無い故に所在無い

マンションに挟まれた古びた一軒家。モルタルの壁には共産党のポスターが掲示されている。 以前、一軒家の主と思われる老人がスーツに身を包み片手にノートパソコンを持った男性に熱心に声を掛けられていた。土地の売買の交渉だろう。元は一軒家の一階には工…