学校で学んだ文学作品で印象に残るのは、山月記の他に夏の葬列が挙げられる。
中学校の選択科目の授業で教師が取り上げたのが、山川方男の夏の葬列だった。授業は時間を掛けて精読するというより、読んだ感想を語り合うものだったと記憶している。当時、何を思ったのかは定かではないものの、白い雲、青い空、緑葉、白いワンピース、そしてワンピースを染めたであろう赤い鮮血…そのイメージだけが明瞭に残っている。
ベッドに投げ出した衣類をサッシの縁に掛けて窓を開ける。朝方の陽射しの気持ち良さに、思わず窓を開けて床に腰掛ける。妻は部屋の奥に向かい、小さな子どもは覚束無い足取りでおもちゃを手に持ちながらこちら見ている。どうやら自分の子どもらしい。俺は余りの幸せにポケットから燃焼式の煙草を取り出して吸おうとする。
夢の余韻をベッドで楽しみながら、これが私が思う幸せなのだろうかと考える。そして、先日に見た悪夢を思い出そうとするものの、悪い印象しか蘇らなかった。
増え過ぎた体重を元に戻そうと減量を試みている。
梅雨入り明けの月曜日、家を出て目に入ったのはコンクリートブロックの上で雨に濡れる赤い折り紙で作られた顔の無い鶴だった。小さな路地を進むと肥満体の男が現れる。路地を抜けると雨合羽を着た原付バイクが目の前を横切った。
ドレスアップした女性が数少ない座席を譲り合い、誰も座ろうとしないため、じゃんけんを始めた。結局、ある女性が席を1つ移動して3人は横並びに座ったのであった。
菊地成孔の音楽を改めて視聴してみると思いの外良く馴染んだ。