マチネの終わりに

平野啓一郎著『マチネの終わりに』を読んだ。

天才クラシックギタリストの男性と通信社で働く女性の恋愛を描いた作品。舞台は東京、バグダット、パリ、ニューヨーク。40代の苦悩や世界情勢や思想を絡めながら物語は進む。

当時は毎日新聞で掲載された後、noteに転載されるという仕組みになっていた。若手のアーティストとの競演が実施され展覧会もあった。当時は本書にどっぷり浸っており、当初はnoteで読んでいたものの、連載を先に読み進めたい余りに毎日新聞のアカウントを作成した始末。また、仕事終わりに展覧会にも足を運んだ。既に熱は冷めたが本書をきっかけにしてクラシックギターを聴く機会を得た。現在、平野啓一郎の作品を人に勧めるなら、本書を選ぶことは間違い無い。

何故に本書にそれ程引き込まれたのか考えるものの、明瞭な理屈は思い浮かばない。敢えて言えば、誰かに想いを寄せるようになった時の稚気めいた想い等を笑い飛ばすことも無く、登場人物の機微として描いているためだろうか。また分人主義をベースにした人間の狡猾さ、頑迷さを描き、悪人とも言うべき登場人物がいないためだろうか?

主人公がスランプに思い悩む重苦しさから、逃れ出て行く様が気持ち良い。また、差し迫ったソロ演奏の舞台を前にして主人公が亡くなった親友のギタリストと邂逅するシーンは、誰かの未来を幾分か支える得る生の重みを思いださせてくれる。

本書に登場するギター曲に興味が生じた場合、本書とタイアップした下記のCDを聴くのが良いと思う。

マチネの終わりに

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