読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

2015年11月23日~2015年11月29日

雑記(2014.3.11~)

掃除をしたのだが一向に終わる気配が無い。台所を主に取り掛かったのだが、長年住み暮らした生活感は消えなかった。

とんかつ屋で熱燗で日本酒を飲む。通しで味噌田楽とこんにゃくが出る。ラジオから流れるのはのど自慢だがよく鐘が鳴る。参加者の嬉々とした声に女将が笑い、大将は「今日はよく鐘が鳴るね。」と応える。

昼下がりの喫茶店にはランチメニューのカレーを食べに多くの人が訪れる。若い男性の手元にカレーがあり、真向かいに座る三十代後半の女性は男性の言葉に頷いている。幾分か歳の離れた組み合わせは、男女の関係と言い切るのが難しかった。隣に座る二人組の男性は、キングクリムゾンが来日する事を話しながらスマートフォンを覗き込んでいる。「ロバート=フリップも来るのか。ちょっと興味あるなぁ。」「もうチケット売り切れてるよ。追加公演も決まったらしいけど。」「ロバート=フリップならギターを弾き遅れる事は無いのかな。イエスみたいに。」二人が笑いあっているとコーヒーが届く。「灰皿必要ですか?」と尋ねる店主に「煙草吸っても良いんですか?」と一人が尋ね返す。「勿論ですよ。」机に置かれた灰皿を手元に取り寄せるものの、もう一人は「俺はまだ遠慮しておく。」と隣の男女に気遣いを見せる。そう言われる前に煙草に火を点けた男性は手に持った煙草を廊下の方に向ける。馴染みの客なのだろう、CDを持ち込んだ中年の男性がステレオをいじり始めた。流れる音楽は悪くは無かったが、当たり障りが無いとも言えた。隣に座った、やはり常連客に「ジャケットが良いでしょう。ジャケ買いなんだ。」と声を掛ける。新たに親子連れ、女性客が入店する。「私、寅さんって苦手なのよね。文学座だっけ?あそこの俳優ってなんか大袈裟で。」「うーん、たぶん寅さんに自然なものって求めて無いと思う。」「そうね、確かに型にはまったものとして観ているわ。」そんな会話がカウンター席で繰り広げられるなか、また新たな常連客が店に顔を出していく。妻との待ち合わせに煙草を吸う中年の男性、新たな彼氏を連れてやって来た女性。男女、親子連れ、女性客、二人組の男性は知らぬ間に店から消え、常連客だけが店に残った。

店内では他人に配慮するよう求める但し書きがある喫茶店。客の声は密やかに、もしくは黙るしか無い。

母親に抱かれた首の座らない赤ん坊が首を仰け反らせて大きな瞳で俯向く大人を覗き込んで行く。

古本屋に寄り書棚を眺めるものの、どうにも気分が乗らず、そのまま店へ出た。一駅歩いてみたが、マフラーをしてこなかった事が悔やまれた。

雨で水かさが増した川が落葉を運んでいる。

何もやる気が起こらず布団のなかにいると友人から連絡があった。天ぷら油でボヤを起こしたらしい。話を聞く限り大した事は無さそうだったが、送られて来た写真を見ると修理が必要な焦げ具合だった。本人は今後の手続きの煩わしさを考え意気消沈しているようだが、どこか他人事とも感じているようだった。深刻になり過ぎる事も厄介なのだから、こういう態度もまた必要なのかもしれない。

一九四八年から一九五三年まで当時の文部省が教科書として発行していた民主主義なる本を読み終えた。本書はGHQの指示で作成され、法哲学者である尾高朝雄が編纂したという。社会学者西田亮介が本書について取り上げており興味を持ったのだが、なるほど戦後間も無い日本に民主主義を根付かせようとする意気込みが文章の端々から感じられとても新鮮だった。扱っている内容もかなり広範なものとなっており、今でも全く通用する内容と思われた。