2015年4月19日~2015年4月27日

昨日の豚肉を蒸したものを食べた。その際に残ったラードの塊と野菜をレンジで温めスープを作る。

東浩紀のクリュセの魚について思い返していたら、知らぬ間に天皇制について考える事になってしまった。そして国民が天皇制に強制力に持ち、死地に追いやる可能性があるという結論に至ってしまった。我ながら果たして本当だろうかと思う。例えば天皇の度々発する談話の中に平和への希求を読み込む事は可能である。しかしそうは言っても現実と理念は違うのだと大抵の人は考えていそうである。但しこれを積極的平和主義として読み込む事は可能かもしれない。やはり象徴天皇制の於いて皇族の意図を汲み取ろうとする事自体誤りなのだ。

昼寝から目覚め雨戸を閉め部屋に明かりを灯そうとすると反応が無い。リモコンの乾電池も変えたばかりだ。照明そのものに寿命が来たのだろうか?仕方無く顔を洗い外に出る。駅前の交差点では自ら保守と名乗るも何故か自民党公認の出馬では無い区議会議員がマイクを持って演説をしている。信号を待つ男女の瞳は街頭と車の光を映し出し瑞々しく光る。休日の束の間の休息に心と身体を休める人々に紛れ、苛立ちながら蛍光灯を買い求める男のコントラスト。

蛍光灯、リモコンの乾電池を変えても電気が点かない。シーリングライト本体の故障だろうか。面倒がって台所の蛍光灯を変えていなかった為、風呂場とトイレ以外行動し難い状況に詰んでいる。

神が最初に光ヨアレと言ったのは正解だと思う。暗いと何も見えやしない。

駅前で自民党公認の区議会議員が自民党の政策パンフレットを配っていた。その横では自民党員でありながら公認では無い区議会議員が頭を下げている。公認になったか確認してみる為ホームページを眺めてみると自民党員の記載は無く、所属会派で調べてみれば区議会自民党を離脱したのだとブログにある。ホームページには沖縄尖閣諸島慰安婦問題でアメリカグレンデール市に行ったと記載がある。やたら自民党やら保守を名乗る候補者に詳しくなってしまう。しかし東京自民党のパンフレットを眺めているが革新陣営と何一つ変わり無い総覧的な内容で比較のしようが無い。

蒸す。そして眠い。

季節の変わり目と寝不足による頭痛で何もやる気が起きない。

駅前で革新系候補者がお年寄りから女性と子どもが安心して暮らせるようにと雨の中演説している。ではこの選挙までの間一体何をしていたのだと疑問に思う。そしてこの選挙で当選した暁にそれが可能なのだろうか。一応候補者を区別する為に保守と革新という言葉を使っているが、使う気も無い言葉の上、各候補者が選挙中に訴えている内容に差は無く、区別の意味が実際のところ無い。

台所の蛍光灯を取り替え部屋に光が戻った。

駅前で自民党公認の候補者が主に商店街向けの演説をしている。地域振興券が大手資本に流入するため地元に降りるようにするのだと言う。その商店街の電気屋にシーリングライトを買いに尋ねる。敢えて商店街の電気屋を選んだのは遠くまで歩くのが面倒だからなのだが、在庫があるか確認して貰うと値段をカタログで確認し始めた。カタログ価格で販売するとは良い度胸だ。今時販売価格はカタログの七割から八割だろうに。商店街の電気屋なので気紛れの客を相手にしてもしょうがないのだろう。しかしそれで客が来るのだろうか。とりあえず端数だけおまけして貰いお金を払う。LEDだから二十年は持つと店員が自慢気に語る。二十年も先に生きているなんて判らない、借家住まいには高い買い物だ。そう応えると店員に反応は無い。

部屋のシーリングライトを変える。LEDだからなのか光量の調整が出来るらしい。これは使える。

CDが嵩張るのでCDケースからビニールに移し替える事にした。実際やってみると確かに嵩は減ったが収納方法に少し工夫が要る。現状では本棚に置いているがボックスに収納した方が良いのだろう。

朝も夜も駅前に区議会議員候補者たち。よくよく考えてみれば一週間しか選挙に対する直接の活動が出来ない、もしくは公職選挙法によってやれない事とやる事があるというのはシビアだ。

DCPRGが新譜を出すらしい。その名も「フランツ・カフカのサウスアメリカ ft W・シェイクスピア」との事。色々混じっていてそれだけに期待したい。

友人が務めるワイナリーからワインを注文する。とりあえず赤ワインを飲んで悦に浸る。

床屋で髪を切る。TVで店主が録画したであろうテレビ番組に耳を傾ける。東北で被災した中学生たちがふるさとを津波から守り子孫一千年まで語り継ごうという試んでいた。青臭いと思いつつも自ら世の中を変えて行こうと行動し結果を残していく姿は感動的だ。きっと彼らの経験と行動は次の世の人々に影響を与えるのだろう。このユニットをどのように次世代に受け継がせるのだろう考えた。千年は本当に長い。そして語り継ぐのであれば出来ない時間でも無い。方法はあるのだろう。

猫のするどい睨み、雨上がりの新緑、若い女性のスカートから伸びた生脚、筋の通った鼻、白桃のごとく柔らかな毛に包まれた顔、淡い色の春服。

さして器量の良くない女性と布団の中で抱き合う夢を見た。別にセックスする訳では無いと躊躇う女性の顔を引き寄せた。すると隣で寝ていた半ば呆け掛かっているらしい父がこちらを見ながらうわごとを述べ俺は興醒めするのだった。

昨夜二村ヒトシの著作を読み直していたら少し気分が落ち着いた。さすが自己啓発本もとい倫理学の本である。

俺の通勤経路に選挙広報の看板は無い。一方、仕事場から客先やら駅までにはやたらあり、こちらの候補者の方がよっぽど詳しい。仕方無く検索で選挙広報を眺めてみる。まず候補者が多過ぎると思ったが、若い女性が多く立候補しているのが救いだった。自宅に戻ると郵便受に選挙広報が配られている。目を通すと二十六歳が最年少候補者のようだ。

言葉を発した事をきっかけに怒りに火が付くのだと判ってきた。

蟻が海苔の欠片を運んでいる。涙ぐましい努力だと感じる。涙ぐましいなんて情けは必要無いが、傍から見れば人の生活も蟻と何ら変わりはしないのだろう。

Nik Bärtsch's Ronin の Llyrìa は静謐の中に美しさがある。

駅前を出ると選挙カーの周りに人だかりが出来ている。こんな名も無い駅前に人だかりとはどういう事だろう。信号を待ちながら選挙カーに目を凝らすと公明党の候補者らしい。なるほどと納得がいくのだがそれなりに動員力があるのだなと感心する。スーパーを出ると警官やら私服警官が散って行く。どうやら国会議員程度の人物が応援に来ていたらしい。その横で革新系候補者の選挙カーが沈黙している。そろそろ候補者を絞らなければと選挙広報を眺め、若い女性候補者を調べていると二十代の候補者に古典ギリシャ語を話す事が出来ると記載があり吹き出してしまった。しかし調べて行くと特段投票したい理由は見つからない。残念ながら若い女性候補者という縛りを入れると詰む。大抵、保守系政党の政治塾から立候補に至ったというパターンなのだ。

Becca Stevens Band の Perfect Animal は聴き甲斐がある。

スーパーで買い物をする。子どもを抱えた若く美しい女性の顔に疲労の色が伺える。ショッピングカートに座った子どもは大事そうに苺のパックを持っている。甘さを期待しつつ食べると酸味が強く拍子抜けした子どもの頃の記憶が蘇る。レジの前に並ぶと目の前の老人から異臭が漂う。店員がレジで商品を読み取る。買い求めていたのは饅頭だとかシラスだとか簡単なものだ。店員から金額を伝えられると手に持った小銭を出そうとするのだが計算が出来ないらしい。店員は仕方無くその手から小銭を選びレシートを渡した。スーパーを出ると聞こえてくるのは皆が安心して暮らせる生活だという政治家の声。

休みの日に晴天が続く。

海猫沢めろんの左巻キ式ラストリゾートについて考えていたら自己受容出来ていない女性と短小のインチキ自己受容している男性について考えていた。

モニターでプロ野球と競馬を眺める。

吉田隆一率いるBlackSheepのメビウスに収録されているBVW639の解説を読んでいるとスタニワム=レフの「ソラリス」は沼野充義訳が検閲前の完全版だと言う。

夢の中でまだ書かれざる装丁だけが立派な書物を鞄から取り出す。TVではハイコンテクストなアニメーションが流れ、これでは誰にも理解出来ないと思う。アニマが動き出すのを夢で見てしまってユング様々である。

メシアンの世の終わりのための四重奏曲。

洗濯物を干した後、選挙に出向く。道すがら鯉のぼりを見つける。もう五月になるのかと思う。結局以前から気にしていた男性候補者に投票した。子育て等に積極的な意見を持つ女性候補者に投票しようと考えたものの今一つ決め手に欠け、選挙区の状況に詳しい候補者を選ぶのが無難という結論に至った。とはいえ気にしていた女性候補者が当選するかどうかは気にしたい。男性社会の同調圧力には辟易している。

ソクラテスの命日は四月二十七日らしい。しかしソクラテスの有名な悪妻にちなんで悪妻の日となっているらしい。

速水健朗の1995年について考えているとクロノ・トリガーを思い出した。懐かしい気分になりAmazonでサウンドトラックを購入し、そのまま散歩しながら全曲を聴く。いざ聴くとChicago Underground Duo はラストバトル辺りのフレーズを参考にしているのでは無いかと思う。

新緑で彩られた空と木々の下、花茎が降るなかを歩く。芝生の上で体操服を着た園児達が走り回り、それを見守る母親達がいる。園児の体操服に平仮名で名前と花の名前のクラス名が描かれている。額に浮かぶ汗を手の甲で拭う。

Yo-Yo Ma のバッハ無伴奏チェロ組曲を聴く。穏やかに時に性急に感情を刺激する。

区議会議員選挙の結果を見ると若い女性候補者は全員当選している事が判った。また投票した候補者も当選していた。何度か話題にしたネットで炎上した保守系議員も当選しており、世間が忘れるのが早いのか、そもそも炎上していた事を知らないのか、もしくは炎上議員の意見に肯定的なのかが少し気になった。また自民党公認候補者で議長もしていたという男性が落選していたのは意外だった。

暖かくなり窓を開けるようになった。夕餉の時間になり、簡素な食事の後、焼き肉の匂いが室内に漂い始めた。正直とても辛い。