万物理論

グレッグ=イーガン著山岸真訳『万物理論』を読んだ。
友人から無理やり渡されたSF作品の一つ。これくらい読んでSFを語れという事らしい。

人工島で催される世界を説明する原理「万物理論〈Theory of Everything〉」の発表とその界隈に出現する反動集団とカルト集団。その一方、世界に蔓延し始めた謎のウイルス。身体にカメラとハードディスクを埋め込んだジャーナリストがその渦中に巻き込まれるというのがかなり荒いあらすじとなる。本書について何か書こうと思い、ネットであらすじや感想を追ってみると、肝心の万物理論とは何たるかが全く判っていなかったらしい。人間原理を基調として、ある一人の人間が世界の数値を把握しコントロールする事によって世界が変わる。これはフィクションでは物語の終わりに急転直下でよく起きる事ではある。しかしそんな派手な事が起きるものなのだろうか。本書は邦題では万物理論となっているが、実際は謎のウイルスの方が題名になっており、万物理論だけで無く色々とアイデアが詰め込まれているので面白く読める。もっと下準備して読めば良かったかもしれない。

万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)