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2015年3月5日

雑記(2014.3.11~)

小学生のランドセルにナイキのマークを見つける。ランドセルのカバーがナイキなのかと思ったがそうでは無いらしい。ナイキ製ランドセルがあるのだ。そういえば昔三本ラインのジャージが流行った事があった。あれは何がきっかけだったのだろう。安室奈美恵だったろうか。

朝、見栄えの良い女性を見掛ける。乗換経路も変わらない。だからどうしたと自分に尋ねてみれば、どうもしないという答えしか返ってこない。

「賞味期限 15. 3. 7」と袋に印字されたあんぱんがある。もちろん平成15年3月7日が賞味期限のあんぱんでは無く2015年3月7日が賞味期限である。更にここでいうあんぱんとはドラッグを指す隠語では無く、喫茶店で売られている、軽食用の、他愛のない、あんぱんである。物事は正確に伝えるのは難しい。実は日常生活に於ける言葉とは曖昧なものであり、この何と無さを伝えるものに過ぎない。そして何と無さで、心地良いものばかりでは無いが、共に経験出来るものである。

Zhenya Strigalev の Robin Goodie を聴く。豪華競演メンバーらしいのだが、詳しい事は知らない。余りに音楽に金を使い過ぎたので、このアルバムを最後に当分は今まで購入した音楽を聴いていようと思う。とか言いながら Brad Mehldau の過去の何作品かを聴きたいと思って目星を付けていたりする。

直属の上司にご意見賜ったところ粗相がありお冠になられたので、こちらも失礼があったらよろしくないと、事務所を出て電機メーター収納ボックスを蹴り上げる。再度事務所に戻り年長の社員より菓子を貰い、それを水で流し込む。ペットボトルの水が無くなったので、仕方無くもう一度事務所を出がてら蹴り上げる。同僚がトイレから出て来て怒りがおさまらない事を告げると煙草を吸うかと誘われたので一本貰う。定刻を迎えると上司が帰宅して良いと言うので再度喫煙所に向かい、もう一本メンソールの煙草を貰う。事務所で一番偉い上司が現れたので、怒りがおさまらない事を伝えると、俺は何も聞かなかったという。頭を冷やすべく帰り支度をして、事務所を出てもう一度蹴り上げる。エレベーターを待っていると、問題の上司が現れ、今となっては何を言ったか思い出せないが、取り敢えず意味が判りませんと応えるしか無かった。更に話をしようと喫煙所に連れ出される。これだから喫煙所は嫌いなのだ。グダグダ何事か仰られている要旨をまとめると、俺の能力不足、態度の悪さを指摘した上で、泉に映った自分の顔を見惚れて酔った四十代男性の仕事語りと見せ掛けた自分語りだった。最初の能力不足やら態度の悪さは言いたい事はあるものの聴く耳を持てるが、唯の自分語りにははいはいと小声で返事をする事しか出来なかったし、蹴り上げた脚がワナワナと震えているのが判った。

これは事務所で偉い上司たちに語った事で彼等も否定しなかった事だが、これで俺は一年以内にほぼお役ご免の部署へ飛ばされる事になるだろう。この直属の上司と付き合うとはそういう事なのだ。曖昧な将来に一筋の光が見えたというものである。とはいえそれは会社に居ればの話なのだが。

怒髪天を突く。頭を冷やす意味を込めて床屋に寄る。店主は椅子で居眠りしている。俺に気がつくと瞼を擦りながら席に案内された。どうする?と尋ねられ従姉の結婚式があるのでそれに合わせてお任せすると伝える。つくづく俺はこの街に長く住み過ぎたと思う。TVでは店主が録画したであろうNHKアーカイブス第二次世界大戦の空襲の特集。老人が若い人に戦争について学べと語り、無人機による空爆を心無いものとして嘆いてみせた。しかし無人機を操る人間はモニター越しに目標が四散するのを確認するまで引鉄を押し続けるのだ。過去と現代から正確に学ぶべきなのは誰なのか?店主がチャンネルを変えると天気予報。今日の月はミニマムムーンだとか何とか。

スラックスを取りに仕立て屋に出向く。話の通りまだ開いていた午後十九時三十分の店内。店主はミシン台の前から立ち上がりスラックスを取り出す。改めて壁に飾られた賞状を眺めると「昭和二十四年」とある。疑問は解くべきだと思い、壁に飾られた賞状について尋ねると主人は次のような事を言った。「服飾の専門学校を卒業したのは二十歳位だったかな。服飾店に丁稚奉公しながら通ったんです。学校で習ったのは裁断なんです。」「そうそう。布を断つんだよね。今は布を型紙に当てるけど、私の時は頭の中で布をあてるの。尺はインチだよ。学校は座学で三ヶ月位なんだけど朝から夜までばっちり勉強するの。そのまま実習も受ける事が出来るのだけど、仕事に必要なのは裁断だったからさ。学校は西日暮里にあったのかな。幾つかの店で働いて、四ツ谷、神田、麹町とさ。その後、独立みたいな感じで今のところに落ち着いたの三十代位だったかな。」「今を昭和で数えると九十年だよね。随分前の話だよ。」「手に職を持つといつまでも仕事出来るからね。サラリーマンは六十五、今だと六十歳で仕事が終わりじゃない。その後好きな事出来ると良いけどそうはいかないよね。私は今八十歳だけどさ。」「二ヶ月に一回はゴルフホールを周っているよ。スコアはおいといてね。その為にスイングは研究するし、散歩にも出る。良い運動だよね。」

仕立て屋を後にしてスーパーで豚肉の塊を買う。自宅に戻り豚肉を蒸し焼きにして食す。美味い。

激情に駆られる度に自分がどんどん若く若くなっていくような感覚をおぼえる。