割と目覚めが良かった。めでたし、めでたし。
満員の電車を見送る。電車を待つ間、目の前の壁を眺めていると違和感。真新しい天井のコンクリートが馴染まない。
もう梅の季節らしい。車内の吊革広告で知る。
最近社内で新たな案件の受注があり、その影響を被って異動の可能性がある事を知る。上司にそれとなく探りを入れるも否定はしなかった。通勤時間が伸びるのは少し憂鬱だ。しかし環境を変えたいという気持ちもある。ここ二年、職場を変えて少し楽をし過ぎたかもしれない。
帰り間際に仕事を渡される。今日は歯医者に行かなければならない。少しやってから帰ろう等と都合の良い事を考えていたら遅刻が決まってしまう。
歯医者を終えスーパーに寄り買い物をする。夕方、混雑したレジ前でひたすらスマートフォンを眺める女性越しに、まだ若い男性がレジに立っているのが見える。彼の一挙一動が物語るの気怠さだった。