2015年2月14日

陽が部屋に入り込む。雲なのか風にゆれる木々に遮られるのか、部屋は時折暗くなり、また明かるさに満ちる。

昨夜夕飯が出来るのを待つ間、Kindleでダウンロードしていた島耕作シリーズの第一巻を読む。第一作目である課長島耕作は主人公の小者振りも含めて時代を感じさせる。それに比べて後に描かれた他の島耕作はやや出来過ぎと言うべきだろう。何より彼は主体性があるように見えて、実は流れに身を任せているだけに過ぎない。そんな漫画を読み、傍から見れば島耕作よりも更につまらない男だろうと考える。外はとても静かで喧騒に満ちた心持ちを静めていく。

とても疲れていたらしく、寝て起きてを繰り返し午前の終わりに目が覚める。早朝に開けた雨戸のおかげで部屋に陽が入る。布団でも干し、シーツとタオルケットを洗えば良かったのかもしれない。

駅前に需要の無い電気屋があり、知らぬ間に消えて行った事を思い出したのは島耕作を読んだからだろう。全てはロードサイドの店舗からショッピングモールに吸収されて行く。

ジムのモニターで体重の多い人々が集団で痩せるべく合宿している姿が映し出されている。何やら若者の中で仲間割れが起きているのだが、それは企画のルールによって起きるもので、何だかおかしいと思う。チャンネルを変えるとドラマでサイボーグ009にコスプレした長谷川博己と杏を見掛ける。更にチャンネルを変えると馬がダートを走っており、何よりも美しいと思う。

「馬は人に言われた通り走って偉い。」「馬は全速力で走って偉い。」「馬は美しい。」

早めの食事後、寝入ってしまう。車で何処かに行こうとしている。坂道の信号を待っていると何故かエンストしてしまう。ブレーキを踏むもズルズルと坂を後退して後ろの車両に迫り慌てる。狭い路地を通ると小学生たちがここから先へは進めないよと教えてくれる。団地の中に迷い込んでしまったらしい。すると以前の会社の先輩社員が現れ「って事はここら辺が依頼者の言う浮気相手の自宅という事なんじゃないの?」と言う。そうだ、依頼者の男性が家で見つけた便箋に書かれた住所や携帯電話の番号を元に俺は車を運転していたのだ。空き地が多くセイタカアワダチソウが生えている。目の前を歩く男性三人、しかしそれを先導しているのは依頼者だ。依頼者の自宅近くに浮気相手が住んでいるという事だろう。

池内恵著「イスラム国の衝撃」を読み終える。国枝昌樹著「イスラム国の正体」も読み終え、適当にであれ、基本的事項が頭に入ったが、この組織に向ける視線だけでなく、地域的な視線と国際的な視線が伴わなければならないという事が判る。