2015年1月27日

目覚めると午前七時三十五分。劣情に駆られて深夜まで起きていた事が原因なのは判っている。シャワーを浴び着替え自宅を出る。外は小降りの雨。少しハイな気分になる。

隣に座った男性の胃酸過多な吐息にウンザリする。

最早何も要らないように思う。

「エジプシャンは毎日サッカーするけど、日本人もそうだとは思わなかったよ。」「僕」と「ヤコブ」の友情もしくは恋が綴られた文章、黒革のブックカバー。物語は「父」が「カイロから日本に一時帰国する」と言い出したところで下車して何処かに行ってしまった。

駅構内を出ると空が明るい。

陽が射し始める。蒸し暑さを感じる。

新調した革靴で脚の指が擦れる。会社で靴下を脱ぐと皮が剥けている。絆創膏を貼り誤魔化す。安物の癖に本革とは生意気だ。

何が欲しいか考える。彼女、本を読む時間、何もしない時間、寝る時間、お金、広い部屋、風呂、自由な心持ち、音楽…意外にも欲深く、「何も要らない」なんて言葉は嘘であるように思う。しかしこれが両立してしまう。

帰りに本屋に寄る。適当に本を買うもののどうにも空しさみたいものを抱えて、立読みしようと思っていた雑誌は何故か見つからない。

少し本を読む。資格試験の勉強の為にと本を手に取る事も少なくなり、尚且つ資格試験の勉強も捗らないというありきたりな展開。