2014年12月4日

電車で二人乗りをする男女を真夜中に洗濯物を干しているところを見掛ける。若さが暗闇へ消え、空を仰げば星が瞬いている。

本棚の背表紙の色が滲み延び形成される五次元空間になか宇宙飛行士は膨大な情報をモールス信号で送る。トントンツートントンツートンツートン…

電光掲示板に表示された各路線の遅延情報が左に流れていく。急病人の元に駆け付けた救急隊員たち。左手側に進む電車、窓に映る人々が減って行く。

同僚にインターステラーを観た事を話すと「俺も観たいんすよね」と言うので是非観た方が良いと勧める。

客先へ向かうと担当者の男女が早目の昼食へ向かうのを見掛ける。こういったものを見掛けた時、自らが部外者である事を認識し嫉妬が芽生える。我ながら面倒だなと思う。諦めが肝心なのだろうか?名刺を渡し受け取った書類を鞄にしまう。

今日は雨が降るという。夜に干した洗濯物が濡れてしまう。「天気予報を見ましょうよ。」と諭される。

ため息と共に煙草の煙がのぼる。

生命の輝きは神そのものであるという何年も前に聴いた講義を思い出す。そんな実感は日々の生活に掻き消されてしまう。だからこそ宗教が発明されたのだ。

譜面だけでは用を足さない、感覚を要する音楽。

上司たちは重役の通夜に出掛けた。残った二十代の社員に会話は無い。俺の無駄話が無駄に事務所に響く。

雨に降られる。