2014年10月23日

また雨だ。一昨日干した洗濯物はまだ乾かない。半乾きのタオルで身体を拭く。

路地から飛び出す新車にハイブリッドの文字を見つける。一つの動力源では事足りない。

父親に手を引かれる小学生の女の子。母親の胸元で眠る女の子。ランドセルを覆う交通安全の文字は蛍光色で存在感を訴える。

ダウンジャケットを羽織る女性を多く見掛ける。地下鉄構内で眼鏡が曇り出す。

タートルネックから伸びた首とその上の顔。首の肉の中を這う数多の神経、走る電流。

周囲に注意を払えば、学校で習ったものは大抵理想であり、現実の名の下に放置されている事に気がつく。

巨匠とマルガリータを読んでいた黒衣の女性をまた電車の中に見掛ける。髪が短くなっている。そしてまた文庫本に向かっている。

仕事の長いメールが携帯端末で作成される。輸送実績の情報収集が肝要らしい。

曲の切れ目に目の前の男女の会話が聞こえる。「リョウジさぁ、昨日の夜に~食べた?」首を振るリョウジ。「食べないんだったらさぁ、タッパーに入れてさぁ…」女性のピンク色の爪が光を反射し、次の曲が始まる。

「寒くなってダウンジャケットを着た女性を見掛けました。」「ああ、私は寒いのは良いんですど寒かったり暑かったりすると体調崩しちゃうんですよね。暖かい電車を降りて寒かったりすると。」「体調管理が大変ですね。」

家具の資料を集める。たまたまなのか調べていたブランドは納品実績のある美術館を記載していた。

客先でふと「愛=理解」という漫画の煽り文句を思い出し吹き出しそうになる。

無駄な残業をする。今日中にやらなければならない理由が見つからない。

白髪が目立ち始めた。上司に話すと「俺もなんだ。でも禿げるよりいいかな。俺は頭皮が柔らかいからその辺りは安心しているだ。」との事。俺の頭皮は硬い。

せめて土日だけでも料理をしようと、夕食をレトルトカレー二日連続で済ませてしまい、平野レミが開設したサイトを観た事で思う。食はとても重要なもののはずだ。