2014年10月3日

酔いも目も覚める。「NEW YORK CITY」、Tシャツにもバックパックにも彩られた西海岸の都市の名前。ここ東京、衰退が約束された東洋人が群島の首都。しかし二十一世紀の衰退は東洋の島国だけの出来事で無かった。電子網に包まれた世界は情報を均一化する事に成功したものの細部の網の目には波及する事無く、度重なる金融危機に経済は停滞、またそれは人々に富の偏在をもたらし、更に人口減少へと波及した。また今世紀初頭の発生したテロとその一連の大国の介入は更なる紛争を呼び込み、第三国では独裁政権に対する民衆の抵抗が活発化、電子網を伝ったそれは携帯端末越しに各国へ波及、これによって支持を得た分離独立派は力を強め、これに危機感を強めた保守層の反発を生んだ。世論は二分され、民衆運動の帰結に二十一世紀の半ば、新興国が誕生し、これを分離独立派を抑え込んだ国は結果として民衆への統制を強める形になった…等とそこらのSFから拾い上げた言葉を組み立て、午前中が終わった。

とびきりタイプの女性に「好き好き大好き超愛してる*1。」と肯定されたとして、ムカつくかもしれない。よくよく考えてみれば全面的な肯定ほど雑なものもないではないか?とはいえ勿論細かい事を言う事も論外だが。

帰りにラーメンを食べに行く。事務所を出ると後輩の女性と鉢合わせ、駅まで共に歩く。「長い階段だ、いや坂だ。いつもこんなところを歩いているの?」とぼやくと「階段なんかないですよ?そうですよ、良い運動になりますよ。そういえば友人が事故物件らしいけど、五階でエレベーター無しのマンションに住んでるんで運動になるって言ってましたよ。」「あっそう。」人の波の中、他愛ない会話。