2014年9月12日

気を点けたまま寝ていたらしい。午前四時の覚醒。スマートフォンをタップして時間を確認しウンザリする。そういえば今日は土曜日だろうか…違う、今日は金曜日だ、まだ一日会社に行かなければ…。電気を消し、明るくなりつつある外の気配を感じつつ目を閉じる。

二十代女性と女子高生が並んで駅へ向かう。右が時を経て左になるのかなんて事をぼんやり考える。未来がどうなるかは誰にも判らない。但し希望を抱きそこを目指す事は出来る。

気持ちの良い天気のなか、客先へ向かう。書類を預かりながら、客先で上司と共に作業する後輩を眺める。頼もしくなったなと我ながら意外な事を思う。そもそも後輩を見守れる程会社に長く居た事が無かったのだ。

異動する事になった先輩社員と東京大神宮に向かう。ここが縁結びで有名らしい事を上司から教えて貰って以来、機会があれば尋ねる事になっていた。金曜日の夜にも関わらず女性の参拝客が絶えない。御利益を信じるほど素直さは無いが、ニ礼ニ拍手一礼、何らかを一瞬でも願うという行為は人に変化を生む。記念におみくじを引けば末吉で音信有りだと言う。悪い事は忘れた。

先輩社員はこの誘いを断るだろうと思っていたが、意外にもスンナリと了承した。話を聞けば異動の正式な辞令も出ているのだという。

鳥居のなか拝殿の光を頼りに暗闇の中で祈る女性たちの姿は心を打つものがある。例えそれが色恋の願いであったとしても、型に嵌められたものだしても、その真剣さを誰が否定出来るだろう。

変えるべきはその真剣さに応えられない社会なのではないか。

帰り道、ラーメン屋にでも入ろうと思うが満席。スーパーに寄り食材を買い家で自炊する。友人にSkypeで連絡を取ってみるが返事は無い。部屋の中に閉じ込められたような気分を感じつつ野菜炒めを頬ぼる。