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国立西洋美術館「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」

5月11日、国立西洋美術館にて「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」及び常設展を観賞。平野啓一郎がキュレーターを務めた「非日常からの呼び声」に興味を持ち出掛けた。

  • 「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」

ジャック=カロは現在のフランス、ロレーヌ地方出身*1の版画家。フィレンツェ在住中に独立しメディチ家から注文を受けていたという。作品は、王宮の生活、軍隊、街の風景、乞食、ジプシー等を描いていた。手のひらサイズの作品から大きな作品まで様々だ。どの作品も細部まで描かれており、街の人々が入り乱れた大きな作品は見応えがある。時折、神話の怪物たちが戦士たちと共に現れる等ユーモアも感じられる。戦争を描いた作品が有名なようで、軍籍に登録する様、略奪、木に吊るされた死体等の作品があった。とはいえ版画の為なのだろうか、そこには悲惨さより淡々とした雰囲気が感じられた。


  • 「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」

国立西洋美術館収蔵品を平野啓一郎がキュレーターとして作品を選び解説をした展示。展示物もそれぞれテーマが設けられていたが忘れてしまった。作品の解説に「エイリアンのよう」等と作品を細部に渡って丹念に観察したコメントが面白かった。今でも印象に残っている作品はアルブレヒトデューラー「メレンコリア I」。天使が頬杖をついている。この天使がたくましくキャラが立っている。ディーリック=バウツ(派)*2「悲しみの聖母・荊冠のキリスト」。目を赤く腫らしたキリストとマリアの何らかの苦しみ。吸引力がある。

  • 常設展

高校生の時、大学見学を兼ねた東京遠足があった。班行動だった為、どういった理由だったか忘れたが上智大学を尋ねた後、友人たちに付き添って原宿に立ち寄った記憶がある*3。そこで客引きの黒人に柔道部の友人が「ヤマガタ」と言って呼び止められたのは今でも笑い話となっている。それはさておき、同じ部活の同級生は国立西洋美術館を尋ねたらしくモネの「睡蓮」にいたく感激していたのだった…という事を睡蓮の絵を眺めながら思い出した。実物を前にすると確かに感動的である。「黄色いアイリス」も良かった。その他、部活繋がりで言えば弓道部だった事もあり、エミール=アントワーヌ=ブールデル「弓をひくヘラクレス」は丹念に眺めさせて貰った。弓から引いた弦まで間に歪みは無くそのままそこに矢を置く事も可能だろう。その他の展示物も全て目に入れるよう廻ったがほとんど忘れてしまった。

*1:フランス北東部でありドイツと隣接している。

*2:彼の工房で創られたレプリカという事らしい。

*3:尚、班行動した俺を含めた仲間たちは上智大学には進学する事は叶わなかった。