2014年7月29日

昨日と変わらない朝。生に掛け替えが無いのなら、朝のルーチンワークも代替は出来ない。布団から出て雨戸を開け、シャワーを浴び、歯磨きをし、髭を剃り、化粧を塗り、下着を取り替え、鞄にタオルと財布を入れ、スマートフォンの充電を確認し、イヤフォンを耳に刺し、眼鏡を掛け、靴を履き、戸締りをし、玄関に鍵を掛ける。駅までの見慣れた歩道を一歩一歩踏み締め、陽射しに悪態を吐き、改札に電子カードをかざし、生乾きの匂い発するシャツに顔を顰め、車内の鉄パイプの冷たさを感じる。スマートフォンを取り出し、小さなディスプレイに文字を入力し、目の前を横切る人々に視線を奪われる。満員電車の中、横には小学生の男の子が一人。彼の吐息が腕にあたる。生温かい吐息がこそばゆい。

客先に向かう途中、喫茶店から出て来たウエイトレスと見つめ合う。誰かと勘違いしているのでは無いかと思い「違いますよ?」と声を掛ける。するとウエイトレスも「あっ違っ」と通り過ぎて行ってしまう。毎日はいつも通り変わりなく過ぎて行く。

友人から電話。下らない話が続く。本当にどうしようも無い。