2014年7月20日

二度寝して午前八時。溜まった洗濯物を片付け、スマートフォンの画像を整理する。雲が時折陽を遮る。蒸し暑い。

坐禅を終え、一旦、友人の自宅に戻り朝食を取る。「もずくは飲み物だ。」と友人はいう。秋刀魚、納豆、味噌汁という平凡な朝食の風景なのだろうが、食欲が湧きご飯をおかわりさせて貰う。その後、ぼんやりする。ベランダから外を眺める。山の頂きは雲が覆っている。典型的な盆地である。真下の果樹園では老人が手入れをしている。時たま小道を高校生が歩く姿が見える。

友人が眠りから覚めた後、勤務先であるというワイナリーに向かう。途中、葡萄や桃の果樹園を多く見掛ける。甘い匂いが漂ってくる。

斜面に造られた醸造所は斜面をくり抜いて半地下になっておりワインの貯蔵庫として活用しているのだという。淡い光に照らされワイン瓶が並ぶ。試飲してみるが味の違いはよく判らない。しかし明らかに金額が高いというワインはアルコールや渋みに慣れない私でも美味しく感じた。一際甘かったデラウエア2013という白ワインを一つ購入する。その後、葡萄畑を見て周る。段々畑から街の中心を眺めつつ、友人から簡単なレクチャーを受ける。甲州という苦味のある品種がここ最近の流行りらしい。よく見ると幹一つで畑の多くの部分を占めている。葡萄の房も実の大きさや付き方が異なる。古い幹に接木された若い枝が支えに絡まり天蓋をつくる。実を眺めていると「張りのある乳房みたいでしょ?」と友人は言う。ラース=フォン=トリアー「ドッグヴィル」に登場する農を生業とする男が収穫を性的に意味づけ欲情し主人公を犯した事を思い出す。

その後、温泉に向かう。湯が温く長く浸かる。友人と下らない話に沸き思いつくままに話題は流れていく。その後、郷土料理だというほうとうを食べる。最初は桃の品種名だと勘違いしていたが、麺類である。味噌の味付け、具もそれによって何でもありというところが良い。素朴な味付けで美味かった。

友人の自宅に戻りぼんやりしていると押入からボードを取り出して来た。ギリシャで二十ユーロで買ったというバックギャモンのゲームボードらしい。簡単にルールの説明を受け、三回程プレイ。ルールを把握し、真剣勝負の三回目は圧倒的大差で負ける。小雨が降り始めた。

スーパーに向かいがてら床屋に寄る。運良く先客はいない。ある程度髪を残そうと思ったが注文が面倒になり短く切って貰う事にする。TVでは新婚さんいらっしゃいが流れている。ベトナムで暮らしているという夫婦が出演し給料と物価について話している。最後に桂三枝が夫に夢はあるのかと尋ね「犬を飼いたい…二匹。」と答え客席から笑いが起こる。もしそんな事を尋ねられたら俺は何を答えるのだろう。そのままアタック25になり、クイズに独り答えて行く。店主から「連休は何処か行かないの?」と尋ねられ山梨に行った事を伝える。鏡にはドラマに出て来そうな寿司職人風の頭が映っている。いや、今日日こんな髪型の寿司職人もいないだろうし、寿司職人にも失礼な話だ。

インスタントラーメンを食べ眠っていたところ、黒い雲が空を覆っている。洗濯物を取り込んで数十分後、雨、大粒の雨になり、空が瞬き雷が鳴る。溜まった洗い物や鍋を洗い、夕飯の支度をする。雷の音は遠くに行き小雨になる。食事を取りながらPCを眺める。