2014年7月11日

身体が重い。おそらく天気か、暑さか、はたまた昨日食べ過ぎたからか、疲れが身体の芯に残っている。一服して忘れた夢を思い出そうと努め、そして昨日眠りにつきながら泣いた事を思い出した。

アパートを出ると小学生の女の子が二人居る。俺の目の前を猫が横切る。女の子は猫じゃらし片手に警戒する猫を「かわいいね」という。マンションに挟まれた古い家を覆う蔦と黄色い花を仰ぐ老人。ただこの家を残す事さえままならない時代。彼を営業マンがボード片手に口説く姿が見た事がある。この古い家には彼の子どもと孫が住んでいる。家の前に小さな工場があった。この家の一階は吹き抜けで、おそらくかつては仕事場だったのだろう。小さな工場は今や駐車場になっている。彼が死ねばこの家は消えるだろう。家の壁に貼られた共産党のポスターが老人の頑固さと古臭さを物語っている。

発射を待つ電車、席の端に座った男性が鉄パイプに片腕を垂らし寝入っている。垂れた片腕は硬直している。電車を待つ中、黒い衣服を纏った女性を見掛ける。喪服は人を美しく見せる。そして状況と合間り、妖しい、という言葉が掛かる。

午前中、客先へ向かう。台風一過という事になるのだろうか、陽射しが眩しく影は濃い。老人たちはこの夏を乗り切れないだろう。季節の変化は身体に堪えるのだ。

事務所を出るとアスファルトが濡れている。小雨が降ったらしい。落ち着かない天気だ。駅を出ると陽射しをビルの窓ガラスに弾き返すも雨が降っている。狐の嫁入り、傘を差して立ち止まる人々の視線の先を見ると二つの虹、視界が開けた場所に移動すると虹が綺麗なアーチを描いている。西の空には雲から覗いた夕陽が見える。

自宅に戻り食事をした後、読書に耽る。眠気に襲われながら本を読み終え、気がつくと畳の上で寝入っていた。