2014年6月20日

外から歓声とも悲鳴とも取れる声が聞こえる。W杯日本代表の試合が行われているのだ。友人によれば確率的に予選突破は難しいらしい。確率の壁を突破出来るのか、関心がそこに移ってしまった。

客先の女性から経歴やら何やら驚かれ、褒められる夢を観た。俺は何を期待しているのだろうか、呆れてしまう。

起床、一服してPCを眺め、シャワーを浴び、着替える。六月に入って頻繁に洗濯をしている為、衣服が押入の中で散らかっている。着替えを取り出すのに難儀する。生活は弛まぬ繰り返しの中にある。

自宅を出ると小さな子どもが日本代表のユニフォームを着て、父親と共にいる。微笑ましい。天気は良い。駅を出ると居酒屋に多く人々が詰め掛けている。サッカー中継を観ているのだ。思わず苦笑いをする。事務所に着くと会議室のTVでサッカー中継を観戦する上司たち。午前九時前にスコアレスドローの結果が出る。

客先から連絡が入る。上司に取り次ぎ電話を終えると「~さん辞めるって。」と言う。新卒入社して今年で一年目を迎えていた女性だった。辞めるには少し早い気がする。とはいえ納得している自分もいた。客先で見掛ける彼女には当初の初々しさは無かった。また逞しさや図太さより疲れを感じさせた。規模こそ違えど同じ職務に携わり、正に一年程度で辞めた経験からいえば同情もする、精神をすり減らせるのがこの仕事の本質だ。しかし規模が違う、おそらくこれ以上無い恵まれた環境なのだ。一二年待てば部署移動等による環境の変化も見込めただろう…何故俺がこうも悔しがっているのだろう、彼女が俺と同じ轍を踏むとは限らない。また辞めた理由は下請の我々に知らされる事は無く、所詮全て想像に過ぎない。彼女の前途に幸あれと願うしか思考の行先は結べない。

早々と事務所を出る。スーパー寄り食材を買い調理するも、肉を焦がしてしまう。焦げついた肉を剥ぎ皿に載せ食べる。室内が蒸し暑い。シャワーを浴び汗が引くの待つ。