2014年5月25日

早起きだが二度寝三度寝として憶えているのは俺のアパートに家族が泊まる夢だった。姉が横に眠っていたが寝相が悪く枕を押しつけて何とかしていた。高校の同級生と同居していた。雪の降る中、ベンチに座っていた。同級生はベンチに立って空中に浮かぶ映像を眺めていた。立っているのは電波を受信させる為らしい。ぼんやりしているとやはり高校の同級生が目の前からやって来た。ランニングをしているらしい。防寒着を来てまでランニングとは熱心な事だと思いつつ声は掛けなかった。腹が減ったのでその場を後にする際、映像を眺める同級生に「××を見掛けたよ、ランニング中だったから街を一周してまた来ると思う」と伝える。スーパーによると店の外に積まれた袋から茹で上がったミートソースのパスタが飛び出している。それに寄り掛かって貪り、更にその場を進むと巨大な炊飯器にカレーのような鳥肉の炊き込みご飯のようなものがある。どうやら母がつくったものらしい。俺はカレーなのか炊き込みご飯なのか判らないそれをどうするか考えていた。

起きて洗濯、シャワーを浴びる。合間に小野俊太郎モスラの精神史」を読む。蚕蛾についての記述があり、家畜化して野生では生きられない事を知る。桑の葉しか食べないらしい。小学校の授業で桑畑という地図記号を憶えさせられた事を思い出す。桑畑がどういったものか知らなかったが、製糸産業が栄えていた時分、当然の存在だったろう。

スーパーに買物へ行く。ATMでお金を引き出し家賃も振り込む。せっかく夢で見たので久し振りにスパゲティでも食べるかと、ホールトマト、茄子、挽肉を買う。何と無く歌舞伎揚げを買い食べてみるが何の感慨も湧かない。交差点では電柱で電気工事が行われている。電柱に掛けられた梯子、高所作業車。信号を待つ若い女性の勝負服。今日は曇り空で蒸し暑い。横を通る女性が振り撒く香水の匂い、あれで食事したら不味くてしょうがないのではと思う。

空腹に耐えかねてコンビニで弁当とトムヤムクン味のカップヌードルを買い食べる。空腹は満ちるがただそれだけだった。これなら香水も何も関係ないではないかと気がつく。

本を読みながら寝入っていた。夕方の散歩に出る。午後六時を過ぎてようやく日が落ちる。歩きながら何を思うかと思えばちょっとした失敗や発言であり、声をあげ頭を抱えたくなる。目の前を通り過ぎて行く男女を眺めながら性欲を思う。性欲が減退すればパートナーは必要無くなるだろうか?この問いの答えは簡単で性欲の解消だけを求めるならその通り、しかしパートナーを欲するのはそれだけが目的ではない、となる。問題はこんな問いが発せられる俺の状況だろう。子どもたちが公園の水場で遊び、広場ではキャッチボールや野球の練習に勤しむ親子がいる。陽は沈み掛け、午後六時のチャイムが鳴る。こんな光景が慰めになっている。

家に戻り台所を片付けつつ夕飯の支度をする。ふと世にも奇妙な物語火曜サスペンス劇場の音源を聴いてみる。火曜サスペンス劇場の音楽は「フラッシュバックテーマ」というらしい。人生は一瞬のフラッシュバックで踏み外してしまうものだろうか。