2014年4月16日

コンビニで買った鳥五目おにぎりを頬張り歩く高校生。電車はいつもより混んでいる。スマートフォンの光が車窓に反射される。

雨が風を呼び、風は火を起こす。TVゲームの謎解きのヒント。皆が試験に挑む。雨、風の能力者から逃れるという試験。皆、街中に散っていく。しかし八方に散った受験者達を見送ると風と水の能力者は洞窟に向かう。閉ざされた洞窟に向けて放たれる風と水。すると火が起き洞窟の入口を開く。開いた入口に絶え間無く火を送り込んだ後、二人の能力者は洞窟に入る。洞窟の中には壁に張り付けにされた半裸の男がいる。洞窟の壁に火が文字を打つ。「FFⅨ」、やはりTVゲーム。この夢に深層心理も神話も無い。しかし深層心理と神話が入り混じったTVゲームがある。

どんなに身体の一部一部に力込めても攣らない身体が欲しい。身体を伸ばす度に攣りそうになる。

幼稚園児二人を連れた母親が交差点を渡る。女の子は先を小さな歩幅で進む。男の子は母親と手をつないでいる。先を行く女の子に追いつこうと「ぼくもぼくも」とごねている。女の子は先を歩く。横断歩道の前で止まり母親と男の子を待つ。黄色い帽子に陽が反射している。ライターにチャイルドレジスタンスなる言葉を見つける。子供がライターを使用出来ないように設定された安全装置。

喫茶店の席に着いたところ小蝿が机の上を這う。何の気なしに手を蝿の上に置く。手のひらには蝿の潰れた黒い跡。蝿の一生は終わった。死亡時刻は午前十一時四十九分、圧死。彼もしくは彼女の死を知るのは俺一人、死体は紙ナプキンに拭かれくるまれている。喫茶店のBGMがレクイエム。

電車の中で眠りに落ちかける。子守唄はGRAPEVINE「真昼のストレンジランド」、おかしな夢より現実の方がよほど理不尽ではないかと考えたがそんなものは笑いに付さなければならない。しかし人生の三分の二が睡眠なら話は別だ。夢での生活に有名無実な法律を敷く。警察も検察も弁護士も裁判官も立ち入り出来ない夢中の治外法権