『ベンヤミン 子どものための文化史』

ヴァルター=ベンヤミン著小寺昭次郎・野村修訳『ベンヤミン 子どものための文化史』を読んだ。
本書はベンヤミンが1929年~1932年に子どものために定期的に放送した講演シリーズのタイプ原稿を集めたものである。ベンヤミン自身はこれらの仕事を「パンのための仕事」と読んで副次的なものとみなしていたらしい。
ベンヤミン自身が副次的なものをみなしていたとはいっても、彼が何に興味を持ち、何を子どもに伝えようとしたのか考えると本書はとても興味深いものにある。
カスパル=ハウザー、魔女裁判、強盗団、ファウスト、郵便切手詐欺、おもちゃ、集合賃貸住宅、ナポリ等についてベンヤミンが語っていると思えば興味深くないだろうか?
私は上記以外に自然災害や鉄道事故、火災等について多く語られている事が興味深くあった。


ベンヤミン 子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)

ベンヤミン 子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)