大樹連司著『ボンクラーズ、ドントクライ』『オブザデッド・マニアックス』を読んだ。
以前、読んだ『ほうかごのロケッティア』を含めて著者の三部作になると勧めた友人から聞いている。
本書を読んだ後、川田宇一郎著『女の子を殺さないために 解読「濃縮還元100パーセントの恋愛小説」』を読み、ライトノベルに於ける主人公とヒロインの関係にセックスに至らないのは「ラブコメ」だからという説明を読み、ああ、ラブコメかと。
おそらくこの三部作で一番楽しめたのが『ほうかごのロケッティア』なのは、閉じられた学校生活を開いたものにしてみせたからなのだと思う。
- 『ボンクラーズ、ドントクライ』
学校内で仮面ライダーのパロディを繰り広げる映画部の部長と主人公が美人教師の妹と映画を撮る事になるという物語。
内容が特撮の話題に及ぶので非常に面白く読んだ。
しかし、主人公、部長、ヒロインの関係の行く末がどうなったのかは、主人公曰く「どうでも良い事」だと語るのだが、主人公の気持ちはどこへ行くのか案じてしまう。
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- 『オブザデッド・マニアックス』
ある島で学校行事に参加中、ゾンビが出現する。主人公たちのサバイバル生活が始まる。しかし主人公は大のソンビ映画好き。自らゾンビが集まると思われるショッピングモールを訪れると、そこには級長を務める女性が、自らの王国を作り出していたという物語。
こちらはソンビものの物語なのだが、級長が作り出した王国は、スクールカーストを転倒させた実力主義の世界になっており、それは級長の復讐でもあったというものなのだが、結局のところ、それは新たなスクールカーストでしかなかったという結末を迎える。
本当の冒険は孤島では始まらずフィクションに過ぎず、日常こそ本来の冒険なのだろうか。
- 作者: 大樹連司,saitom
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