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2011年過剰に今年観た・聴いた音楽について語る。

GRAPEVINE tour 2011“真昼のストレンジランド

GRAPEVINE tour 2011“真昼のストレンジランド" [DVD]


GRAPEVINEは今年始めにアルバム『真昼のストレンジランド』を発表、その後ライブツアーを実施しているのだが上記2つ目の動画の通り、途中に東日本大震災が発生、北海道、東北、関東でのライブを振替実施するという事態になった。このツアーに於ける4月23日新木場スタジオコーストでの演奏を収めたのが『GRAPEVINE tour 2011「真昼のストレンジランド」』である。
このライブDVD初回生産版のみ音楽配信サイトOTOTOYより同内容の音源をDL出来るクーポン券が同封されていた。GRAPEVINEはいわゆるバンドとしてはベテランと呼ばれているがプロモーション活動においては意外にも?SNSTwitterを積極的に利用、驚かされる事が多い。特にかなり昔の事になるがmixiに一時的に参加した時はかなり驚いた。おそらくマネージメント側が新しい動きに積極的なのだろう。今回の音源DL自体はさして新しい事ではないと思われるが、音楽配信サイトを利用したサービスは画期的だったようだ。
この作品ではライブでヴォーカル田中和将氏が観客に冒頭語りかけるのが印象的であり、ライブ当初から行われていたという。とはいえ相変わらずライブ自体は飄々としているのがこのバンドらしい。
さてGRAPEVINEは2012年2月15日にミニ・アルバム『MISOGI EP』をリリースする事が決定、トラックリストも発表されており、

  1. MISOGI
  • ONI
  • SATORI
  • ANATA
  • YOROI
  • RAKUEN

とローマ字表記・削除部の使用と今までに無いタイトル表記が新作への期待と想像を豊かに膨らませてくれる。同時に洗い清める事を意味する「禊(MISOGI)」、削除部が使用された「楽園(RAKUEN)」というタイトルを見ていると、どうしても私の貧困な想像力は3月11日に発生した地震津波福島第1原発の事故等、一連の事態を指し示しているのでは無いかと考えてしまう。それでも全く良いのだが、そういった物語に回収されないより強い作品である事を期待したい。というよりもそもそもGRAPEVINEが一筋縄でいかない作品をリリースしている事を考えると杞憂であるのだが。



ミュージックビデオが必ず話題になるようになったサカナクション。今回も『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』の衝撃力は殊更大きかったようだ。ミュージックビデオ集も実は買おうか迷っているが、自前の再生機の調子が悪いので保留中。『バッハの〜』を含むアルバム『DocumentaLy』はヴォーカル山口一郎氏等の作品制作過程をドキュメンタリー映像として同封、如何にして作品が作られるのか、如何にして自分達の作品を多くの人に知って貰い、聴いて貰うのかという事に向き合っていく姿が映しだされる。作品の素晴らしさを含めて、この問いに対して格闘して魅せるサカナクションの姿勢が素晴らしい。

新呼吸(初回生産限定盤)

新呼吸(初回生産限定盤)

Base Ball Bearの新譜『新呼吸』はコンセプトアルバムなのでしょうが、全く重々しさも無く爽やかに聴かせてくれます。特に爽やかな女性(本田翼氏)が海沿いの田舎町はブラブラしながら文庫本を読んでいる上記ミュージックビデオ「short hair」はツボ、切なさを喚起する。Base Ball Bearのこの切なさの喚起させる力には圧倒されるばかりである。

calendula

calendula

"The End of Legal Fiction" Live at JZ Brat

REPORT FROM IRON MOUNTAIN

REPORT FROM IRON MOUNTAIN

FRANZ KAFKA’S AMERIKA

FRANZ KAFKA’S AMERIKA

ミュージカル・フロム・カオス

ミュージカル・フロム・カオス

ALTER WAR IN TOKYO

ALTER WAR IN TOKYO

さて昨年から引き続きというか去年から聴いている音楽にさほど変化が無いのは見ての通りなのだが菊地成孔氏が参加している作品群、というか筆頭に挙げるべきは菊地成孔氏がMCを務める『菊地成孔の粋な夜電波』を、毎週楽しみに聴いていた。この番組の面白さについて社会学者である澁谷知美氏が非常に丁寧に語ってくれている。
この番組の素晴らしさは澁谷知美氏の説明の通り、音楽・トークのカバーの広さに起因する事が多いのだが、中でも話題になったのは菊地成孔氏が批評誌等でも広めようとしている「楽曲分析<ポップアナリーゼ>」だ。番組内では少女時代、KARAの楽曲分析が行われており、結果的には1イベントとして番組外で実施され好評を博したそうである。

さて、実は私も澁谷知美氏つながりで『文化系トークラジオ Life』「トモミ&ミチヨのK-POP in Japan」にて澁谷知美氏とライター西森路代氏のPodcastを聴き、「K-POPってどんなもんかな?」と西森路代氏著『K-POPがアジアを制覇する』を読んでいた。この本ではK-POPがなぜ流行るのか、K-POPアイドルたちの方向性等色々分析されておりカタログとしても便利、読みながら動画サイトでアイドルのミュージックビデオを参照。すっかり少女時代*1を聴くようになった。
面白いのは上記掲載書に於いて、K-POPが流行る理由の一要因として「グローバリゼーションのローカライゼーション<現地に合わせた販売促進活動〜現地化政策〜>」を指摘しており、他方、菊地成孔氏の同番組内での<ポップアナリーゼ>では洋楽的要素が取り込まれている事が指摘*2されており相反している事だ*3

GIRLS' GENERATION(通常盤)

GIRLS' GENERATION(通常盤)

すると日本のアイドルはどうなっているのかしら?という気持ちになってくる。そこで目に飛び込んできたのは、メンバーの脱退等の事情により「ももいろクローバー」から「ももいろクローバーZ」になった同アイドルユニットのミュージックビデオ『Z伝説〜終わりなき革命〜』*4や、北欧で人気を博したという「きゃりーぱみゅぱみゅ」の『PONPONPON』だった。




バトル アンド ロマンス

バトル アンド ロマンス

ももいろクローバーZは当初和装集団だったアイドルが戦隊モノへ、プロモーション的にはプロレス等が参考にされているそうですが、なんだかガッツリはまり、きゃりーぱみゅぱみゅの『コジコジ』的なメルヘン+グロテスクにも目を奪われました*5。おそらく今年は少女時代、ももいろクローバーZきゃりーぱみゅぱみゅを聴いていたのが、一番イレギュラーな事態だった。



もしもし原宿(通常盤)

もしもし原宿(通常盤)

さて話を菊地成孔氏の作品に戻すと同番組で選曲された『DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN』、略してDCPRGを今年の終盤はずっと聴いていた。菊地成孔氏のエッセイ『スペインの宇宙食 (小学館文庫)』によれば戦争やアメリカをテーマとして扱うビッグバンドらしい。混沌と過剰さを併せ持ち時に哀愁を漂わせ音の濁流に飲み込まれながら、ダンスステージで踊る人々と廻るミラーボールを夢想させる。
最後に挙げる動画は同番組が日曜日の放送を終え金曜日の放送へ切り替わる際に菊地成孔氏が最後に選曲した『3月の水』である。この動画は同氏も参加しているnaomi&goroの演奏である。
この曲は本当に素晴らしい。
それでは良いお年を!!

*1:KARAにはハマれず他には最近日本でもメジャーデビューしたT-ARAの『Bo Peep Bo Peep』にはハマった…。

*2:KARAは日本歌謡曲の要素が取り入れられているらしい。

*3:但しアメリカ進出となると話が変わってくるらしい。

*4:AKB48にならなかったのは私らしい。現在の文化批評シーン的にはAKB48なんでしょうけど。

*5:そういえばアニメ『コジコジ』のEDは電気グルーヴ。今思うとメルヘンとテクノは奇妙な関係があるのかもしれない。