ポー著『盗まれた手紙』と『モルグ街の殺人』を読む。
ポーは昔友人に読め、と言われて結局今の今まで読まずにきた。そんなポーを手に取った理由は、ラカンが『盗まれた手紙』をかなり独特に読解しているということを聞いたからである。ということでとりあえず読んで、余力があったのでデュパンが出てくる『モルグ街の殺人』を読んでみたということなのである。
ラカン云々とはいえラカンの使う用語を少し知っている程度だけなので特にラカンに興味があるというわけではない。まぁ適当な本を読むきっかけを探していたんだな。
しかしポーの二作品を読んでみると、どうにも暗くて胡散臭いフランスの都パリの空気感が伝わってくる。個人的にはカミュが描く地中海沿岸のフランス(もしくはアルジェ)のぱりっとした感じが好きなんだが…。
余力で読んでいた『モルグ街の殺人』を読んでいたら吉川良太郎著『ペロー・ザ・キャット全仕事』の続編『ボーイソプラノ』を思い出した。こちら二作品は近未来のフランスを舞台にしたものだ。上記に挙げたポーの空気感に飄々とした空気感を織り込んだような作品である。『ボーイソプラノ』はたぶん『モルグ街の殺人』のインスパイアを受けているような気がする。もうずいぶん前に読んだから記憶があやふやだけど…。
ちなみにポーは「筑摩世界文学大系」で読みました。
(追記20080622) えっ、何。吉川良太郎って新作エヴァの脚本協力してるの?さっきキーワードではてな巡回して知った。新作エヴァ興味なかったけど観たくなってきた…。
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