天井の蜘蛛

 いつからか、自室の天井に少し大きめの蜘蛛がいる。今確認してみたらいなかった。この部屋からでてったのだろうか。まぁいないならそれはそれでいい。実際、いい気分でなかった。最初に天井に蜘蛛を見つけたときは何とも思わなかった。ただ最近は家にいることが多かったから、ベッドの上でボンヤリしていると、この蜘蛛を嫌でも目にした。そうやって何日も過ごしていると、自分が蜘蛛を見ているのか、蜘蛛が自分を見ているのか、よくわからなってきた。一般的にいうと自分が気にしているだけなのだろうが、そのように考えてしまってから何だか天井の蜘蛛の存在がわずらわしいと思うようになった。しかもこの蜘蛛を殺してしまったら、この蜘蛛に対する自分の弱さを認めるようで嫌だった。大体、殺すのも今の自分にはとても労力を必要としていた。どうもこの蜘蛛の存在を確認してから、調子がよくないような気がする。環境のせいにするのは不本意だが、今回の調子の悪さはこの蜘蛛が原因のような気がする。気のせいだろうが。見つけたら始末してやろうか…。