2023年11~12月の記録

『ゴジラ-1.0』

2023年11月10日(金曜日)鑑賞。
観どころがたくさんある。しかし結果的にあまり面白くなかった。世間の評価や売上との乖離を感じて、趣味嗜好の偏りを感じている。

ガールズ&パンツァーの予習

YouTubeでブラッド=ピットが出演しているフューリーの戦闘シーンを観たところ、思いのほか面白く、会社の諸先輩方に勧められてそのままアニメのガールズ&パンツァーを観た。また諸先輩方の指示に従い元ネタを予習した。結果的に8月以降も『ゴジラ-1.0』を含めて第二次世界大戦に関連する作品を観ることになった。第二次世界大戦における欧州の西部戦線に関して無知であることを認識した。

『フューリー』

アメリカのシャーマン戦車とドイツのティーガー戦車の戦いがある。ドイツ人女性が艶かしい。予習した映画の中で一番面白く観た。

フューリー(吹替版)

フューリー(吹替版)

  • ブラッド・ピット
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『バルジ大作戦』

西部戦線のバルジの戦いを描いた作品。戦車が一杯出るがティーガーは出てこない。

バルジ大作戦(字幕版)

バルジ大作戦(字幕版)

  • ヘンリー・フォンダ
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『戦略大作戦』

若きクリント=イーストウッドが主演。ドナルド=サザーランド演じるオッドポール軍曹が主演は食っているらしいが、果たしてそうかなと思いつつ、確かに奇抜な役柄ではあったと思う。ティーガー戦車が出てくる。それはともかく題名は何だ。

戦略大作戦(字幕版)

戦略大作戦(字幕版)

  • クリント・イーストウッド
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ガールズ&パンツァー

ガールズ&パンツァーのTV版、OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』、劇場版を観た。最終章は観ていない。パンツァーフォー!!

ガールズ&パンツァー(TV版)

学校の存続を掛けた戦車道全国大会を描いた全12話。

ガールズ&パンツァー『これが本当のアンツィオ戦です!』

TV版で省略された戦車道全国高校生大会2回戦を描いた作品。

ガールズ&パンツァー(劇場版)

学校の存続を掛けた大学選抜チームとの戦いを描いた作品。

葬送のフリーレン

放映中。今年に放映された16話を鑑賞済み。アニメ版は原作を解釈した上で少しのエピソードを追加して単話に繋がりを持たせている。原作を毀損することの無い面白さ、わかりやすさのある編集で原作ファンでも楽しめる。

日本のいちばん長い日/激動の昭和史 沖縄決戦

『ああ 決戦航空隊』の鑑賞後、岡本喜八が監督する『日本のいちばん長い日』と『激動の昭和史 沖縄決戦』を観た。『激動の昭和史 沖縄決戦』は庵野秀明がエヴァの旧劇場版の作成の際に何度も観たという話を聞いていた。日本の映画史における岡本喜八を認識し、『シン・ゴジラ』を経て、ようやく観るに至った。また、特撮監督が中野昭慶であることも重要なのだと思われる。なお、これらの作品が東宝8.15シリーズになり、計6作品になることも知った(以下、リストを参照)。

  1. 日本のいちばん長い日(1967年)
  2. 連合艦隊司令長官 山本五十六(1968年)
  3. 日本海大海戦(1969年)
  4. 激動の昭和史 軍閥(1970年)
  5. 激動の昭和史 沖縄決戦(1971年)
  6. 海軍特別年少兵(1972年)


なお、言及を忘れていたが、宮崎駿『君たちはどう生きるか』は公開3日目にほぼ前情報無しで鑑賞している。あの作品も戦中の作品であったと思われる。

2023年8月30日/冷めた風と目

8月の半ばを過ぎ、例年と比較して会社の電話が鳴らない。静かだ。新型コロナウイルスの感染症対策の変更で客先がしっかりと夏のバカンスを楽しんだ影響か、はたまた夏の災害の影響か、8月が終わろうとする今も電話は少ない。


山の日の三連休を終えた。連休明け、朝の陽射しを受けて出勤した。第二次世界大戦の最後の敗戦国。敗戦を終戦と言い換える国。この場所で生きる。これは特殊なことなのか?誰も生まれを選ぶことはできない。その場所で生きる。
同僚が「日本のいちばん長い日」や特攻の発案者の一人である大西瀧治郎を描いた「ああ 決戦航空隊」の話をしていた。仕事の合間に大西瀧治郎のWikipedia等を読んだところ、1945年8月16日に大西は特攻した若者たちとの約束を果たすため割腹自決したとある。その後に残された大西の妻の淑恵も亡くなるまで特攻隊の慰霊に尽くしたという。
その後に「ああ 決戦航空隊」を観た。長い作品で見応えがある。軍人の肉塊になった遺体や天皇批判と今般のフィクションより写実的か?大西がポツダム宣言受諾の意向を知り「あと一ヶ月の猶予があれば良い知恵が浮かぶと思うんです」と頭を下げて訴える様は空虚な滑稽さがあり忘れられない。


言及を忘れていたが山田近鉄の「テレワアク与太話」が息抜きにちょうど良い面白さで繰り返し読んだ。


コーヒーポットを用意して水出しコーヒーを作って飲んだ。コスパが悪くコーヒー豆の消費量が一気に上がった。


xvideoのアイコンがゼノギアスのアイコンのように見える。そういえばTwitterもXに名称を変え、似たようなものかもしれない。

ゼノギアス

ゼノギアス

  • スクウェア
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2023年5月のコンテンツ

福田晋一『その着せ替え人形は恋をする』を読んだ。着せ替え人形と書いてビスク・ドールと読む。適度な伏線をきちんと回収していく小気味良さがある。主人公の海夢(まりん)は前向きだが恋に臆病になるオタクなギャル。すっかり夢中になり、アニメも全話観た。期末テスト後に行く海や最終話の花火のシーンは圧巻だった。なお、動きが多い回の前後に止め絵が多くなるのは予算の影響だろうか等と友人に勧められて読んだ東洋経済のアニメ特集を読んで考えた。マンガの続きとアニメの続編が楽しみである。



ゴールデンウィーク後、仕事に追われることになり、アニメやゲームの音楽を聴いてやり過ごすことになった。NES BAND/SUPER NES BANDの演奏が良い。また、FF4とFF6のピクセルリマスターのサウンドトラックも聴いた。FF6の「仲間を求めて」が好きなのだが、歌詞付きがあることは知らなかった。





推しの子はアニメの第1話を観た。きちんとYOASOBIを聴いた。スキップとローファーのオープニングの須田景凪を含めて、ボカロの影響を受けた音楽をアニメを通じて聴けたと感慨深い。




2023年5月16日/コーヒー・余生・青春・慰め

コーヒー豆を購入して飲むようになり、約5ヶ月が過ぎた。別に数えている訳ではないのだが、コーヒーフィルターの使用量からコーヒー200杯を飲んでいることが判っている(喫茶店で飲むこともあるから200杯以上だ)。さて、職場や自宅の近くの焙煎所、喫茶店等でコーヒー豆を買うようになり、最初に困ったのは浅煎りのコーヒーの強烈な渋みだった。喫茶店店主の友人に相談したところ、お湯を通常より多めに使用すると美味しく飲めるとのアドバイスを貰った。確かにお湯を多め、もしくは豆の量を少し減らすと飲みやすい。


ゴールデンウィークは読書とランニングと動画鑑賞(仮面ライダー)で終わった。素晴らしい時間だったのだが、これを友人に話したところ、「まるで余生じゃん」との指摘を受けた(その直後に友人は「失礼な発言で申し訳ない」と謝罪した)。むしろ私は友人の発言に納得してしまった。


初代仮面ライダーを14話まで観た。途中から本郷猛の出演が無くなった。これは本郷猛を演じる藤岡弘が怪我で出演ができなくなったためらしい。なお、仮面ライダーのスタントも藤岡弘がしていたという。シン・仮面ライダーはそういった点も踏襲しているのだろうか?ワンクール(13話)が終わると本郷猛はショッカーを追って国外へ、緑川ルリ子も本郷を追って国外に赴いたとの説明がなされる。そして登場するのが仮面ライダー2号である。また、取り巻きの1人に山本リンダが演じる女性が登場、非常にクネクネとして動きを見せる。


友人からスキップとローファー、推しの子、PSYCHO-PASS劇場版を観たとの報告を受ける。その中でお勧めとして紹介されたのがスキップとローファーである。試しに観たところ、高校生たちの感情の機微が丁寧に描かれており、非常に面白かったため、アニメを全話観て原作の既刊も全て読んでしまった。青春は束の間である故に描かれるべきである。


三島由紀夫の著作を適当に購入し、まずは仮面の告白を読んでみたものの、興が乗らない。そのため、久しぶりに平野啓一郎の日蝕を手に取ったものの、やはり、そこまで読む気にならない。こういうこともある。


子供の頃、自宅に小さなシンセサイザーがあった。シンセサイザーには楽曲が収録されており、その中で非常にノリの良い面白い音楽があった。それは後に気が付くことではあるが、YMOのRYDEENだった。その後、リゲインEB錠のCMで流れるenergy flowを何度も聴いた(当時は音源を購入するお金が無かったため、テレビ等で能動的に聴いたのだと思う)。energy flowのヒットに際して、当時のメディアでは癒やしという言葉がよく使われていたと思うのだが、矢野顕子はenergy flowを癒やしでなく慰めだと評したという(ただし、今となって矢野顕子の発言の出典は不明である)。


4月に聴いた音楽について調べ始めたところ、全く終わる気がしない。今後は個別に記事化した方が良いのかもしれない。

2023年4月30日/ECM・三島由紀夫・スタートレック

外出の休憩がてら喫茶店に寄り、同店で販売していた稲岡邦彌『新版 ECMの真実』を購入して読む。冒頭のECMオーナーのマンフレート=アイヒャーに関する文章を読んでいたところ、店主から村上春樹のエッセイ広告も載っているという話があった。確認したところ、村上春樹の他、津島佑子、村上龍等のものもあった。その他にもECMに関わった人々の証言の中に短いながらもニック=ペルチュのものがあった。本書を1時間程パラパラと捲っただけだが充実した時間になった。


平野啓一郎「三島由紀夫論」を購入して目次と序論を読む。平野啓一郎が構想から実現までに二十余年が掛かった大著になり、登録している平野のメールレターを読んでいた限り、長らく本書の準備をしていた印象がある(平野のメールレターの冒頭のエッセイ調の挨拶文は割と楽しみにしている)。序論によれば、これまで発表した各論を本書にまとめるにあたって手を加えているという。私は平野の小説以外の作品に熱心ではないが、エッセイ集『モノローグ』に収録された「『英霊の声』論」は読んだ記憶がある。久しぶりに平野のまとまった文章を読むと明晰でありながら平易であり、これから読むのが楽しみである。問題は私が三島由紀夫の『金閣寺』しか読んでいないことである。これを機にまず平野啓一郎の『「かっこいい」とは何か』や三島由紀夫作品を読むことにした。


スタートレックをこれまで観たことがないと思い、J=J=エイブラムス『スター・トレック』(2009年)を観た。何でもありの娯楽作品で非常に面白く、ようやくバルカン人のスポックについてまとまった理解を得た。

2023年4月2日/在りよう

3月に聴いた音楽をブログにまとめる時間が掛かった。


友人に勧められ「すずめの戸締まり」について話し合われている文化系トークラジオLife「文化系大忘年会2022 Part5」のポッドキャストを聴いた。数年振りの視聴になる。同番組の初期クルーである津田大介氏も久々に参加していたらしく「Lifeってこういう番組だったな」との発言に笑って共感した。今では毎回の司会をしていないらしいものの、Charlieこと鈴木謙介の話の切り分けやまとめる力に改めて感心してしまった。「すずめの戸締まり」は未だ考えることがあり、観て良かったと思う。
www.tbsradio.jp


絹田村子「数学であそぼ。」、wako「サチコと神ねこ様」、山田鐘人(原作)アベツカサ(画)「葬送のフリーレン」の新刊を読む。「葬送のフリーレン」は黄金のマハト編が長編になっている。本巻で終わると思っていた。


近藤康太郎「三行で撃つ」を読んだ。副題は「〈善く、生きる〉ための文章塾」。文章を書くことが生き方に繋がるという考えの下、文章の書き方が指南されている。本書を読み終え、意識してブログを書いている。お陰でこれまでの冗長な文章は減ったと思う。本書を念頭に紋切り型の言葉を選ばないようにするだけで考える時間が増えた。読了後に「百冊で耕す」が出版されていることを知った。


スティーブン=スピルバーグ監督「フェイブルマンズ」、庵野秀明監督「シン・仮面ライダー」を観た。どちらも作品に没入できず、自分の感性を疑うことになった。フェイブルマンズは映画を撮ること、撮らないではいられないことについて、スピルバーグの思想が明らかにされている。「シン・仮面ライダー」は面白く無いと思った。しかし原作を途中まで観てから臨んだ「シン・ウルトラマン」は面白かった。もしやと思い、You Tubeで無料公開されている初代仮面ライダーの1~2話を観た。やはり、原作を視聴の有無で印象が違う。仮面ライダーがそこに立ち、ジャンプをするとそこにいる理由、答えは初代仮面ライダーにあった。つまらないと感じた原因は教養不足だった。煩わしいと思われても言う。初代仮面ライダーの1~2話だけでも観て映画を楽しめ。私は4話まで観た。なお98話まである。


料理研究家リョウジのトマトパスタの作り方を参考にフライパン1つでスパゲティーを作っている。私は鷹の爪、にんにく(チューブ入り)、ひき肉、塩、カレーパウダー(ひき肉の臭みの除去を目的としている)、生姜(チューブ入り。これはお好み)、トマト缶のカットトマトを炒め、コップ2杯半程度の水を入れてパスタを煮詰めている。洗い物が少ない。パスタとソースが分離しない。味が染みる。美味い。


終わった仕事にクレームが2件連続で入る。悪いことは続くものである。これからも客の心をえぐり引き裂く仕事を心掛けて生きたいと思う。

2023年2月22日/密着

Fallout4をプレイしている。コンパニオンのケイトと共に連邦を周る。クインシー跡地でガンナーたちを倒し終えるとケイトから薬物中毒の告白があった。中毒を治す機器があるVaultに赴き、無事ケイトは薬物中毒から回復した。その後、ケイトの好意を上げるため、全裸でファストトラベルをしたところ、ロマンスのスピーチチャレンジが発生、ロマンスを選択するもケイトから準備ができていないとの返事。親密度はマックスになり、特殊パークを得たものの、その後のロマンスも失敗してしまった。ケイトとロマンスを起こすことは難しいらしい。その後、インスティチュートに潜入するクエストを進め、無事、ショーンに会い、インスティチュートに協力することになる。次はニック=バレンタインと共に行動しようと思い、彼を待機させていたグレイガーデンを訪問したところ、姿が見当たらない。以前、グレイガーデンが襲撃されたことに気が付かず、修復のために寄った際もニックの姿は見当たらなかった。どうやら行方不明になったようだ。このゲームはこういうことがよくあるらしい。さて、ゲームは続くものの、主人公の目的は達成された。後はミニッツメン、レイルロード、BOS、インスティチュート、これらの派閥にどれだけ肩入れするかで物語が進展するということなのだが…

「1917 命をかけた伝令」を観た。ワンカットのように見える撮影が行われており、これが逆にフィクションであることを際立たせているように思え、面白かった。

2023年1月13日/2022年を振り返る

2022年の大きな出来事は長年住んでいたアパートの取り壊しに伴い引越をしたことが挙げられる。大学卒業に伴い、職場近くのアパートに引越をした。結局その職場は3ヶ月で辞めたものの、特に貯金ができる訳でもない20代を過ごしたため、自分の年齢と同じ築年数のアパートに長年住み続けることになった。アパートの取り壊しは近隣の土地・建物を所持するオーナーが死亡したことによる。オーナーには法定相続人がおらず、国選弁護人が財産を管理することになり、土地・建物は競売に掛けられたという。気が付けば近隣の複数のアパートの住人がいなくなり、近くの家主の自宅もあっという間に更地になり、更地に立つ低層マンション建築の説明会に関する知らせがポストに投函されていた。街の風景が変わるのは資産を持つ1人の生き死にに由来するものなのだと感慨深かった。

引越等の環境の変化の影響か、気分の波の影響か、割りと気落ちしている期間が多く、仕事でも客からクレームが入った影響で、2022年終盤から現在、仕事量が減った。ある意味、助かるものの、現状の仕事でしくじると後が無いとも言える。この辺りはなるようしかならないだろう。

読書に関しては、指輪物語を読み終えたこと、村上春樹の初期作品を再読したことが良かった。10代の頃に背伸びをして手に取った本を改めて読み直して理解を深める時間は喜びが多かった。今後は10代の頃に多読した椎名誠の作品等を再読しようかと考えている。後はどれだけ積んでいる本を読めるかといったところか。

昨年は映画館で観た作品はシン・ウルトラマンとすずめの戸締まりのみだった。映画に関しては、今後は古い作品等を暇があれば観たいと考えている。

ゲームに関してはようやくDARK SOULS REMASTEREDをクリアしたことは感慨深い。とりあえず、今後はクリアをしていないFallout4とFINAL FANTASY4(3D Remake)をクリアしたいと考えている。

友人の影響を受け、ここ数年は喫茶店等でよくコーヒーを飲んでいたのだが、年末にようやく、手動のコーヒーミルを購入し、自宅で焙煎豆のコーヒーを淹れて飲むようになった。今後は沼に陥らない程度に美味いコーヒーを淹れることができるようになりたいと考えている。

2023年1月2日/年末年始

前日の記事のタイトルの西暦が2022年になっていることに気が付いて訂正した。一人で2022年を繰り返すところだった。しかし、自分はまた同じ一年を繰り返すという気しかしない。一方、コロナウイルスの流行やロシアのウクライナの侵攻に鑑みると、日々の生活は容易に変わり得るのだとも思う。

年末に綿野恵太「みんな政治でバカになる」を読んだ。本書は認知バイアスと政治的無知による大衆の政治への無関心をバカとしており、認知科学の有力な仮説である二重過程理論等を参照している。二重過程理論とは人間の脳内に直観システムと推論システムがあるという説である。なお、このシステムには様々な呼び名があり、本書に従っている。直観システムは経験や慣習に基づいて直観的に素早く判断を下すが、間違いも多く、間違いには認知バイアスに基づく一定のパターンがある。推論システムは言語的・意識的な推論になり、直観システムと比較して間違いは少ないものの、時間や労力を必要とする。本書は二重過程理論やその他の最新の知見に基づき、人間本性や環境を分析したものである。あとがきによれば、これらの知見はビジネス書にを通じて世間の浸透しつつある一般的な言説になるという。非常に面白く、皆に読んで欲しい一冊である。

新海誠監督の「すずめの戸締まり」をようやく観た。一見した感想は過去の作品をアップグレードした良い作品である。一方、東日本大震災を扱った作品になることやダイジンの解釈等によって評価が分かれるとも思った。

こちらのブログ記事「mRNAワクチンを接種した人全員に読んでもらいたい、ワクチン開発の奮闘を描き出す一気読み必至のノンフィクション──『mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来』 - 基本読書」を読み、年末年始に掛けて「mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来」を読んだ。確かにコロナウイルスワクチンを打った人全てに読んで欲しい一冊である。驚いたのは、ビオンテックの創業者で医師の夫婦であるエズレム=チュレジとウール=シャヒンは2020年1月の新型コロナウイルスの報道確認直後に、統計学から世界的な流行を導き出し、長年の研究で得たmRNAワクチンの技術が使用可能と判断し、新型コロナウイルスのワクチン開発を決定していたということである、本書でも指摘されているが、2020年1月において、新型コロナウイルスの世界的流行を誰もが予測できた訳では無かった。しかし、前掲書の「みんな政治でバカになる」の言葉を借りれば、エズレム=チュレジとウール=シャヒンは推論システムを使用して、自らのすべきことを判断した訳である。本書を読んで、優秀な人々によって自分が生かされていることを実感した。

香山滋「ゴジラ」を読んだ。収録されている主な作品は「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「G作品検討用台本」「獣人雪男」になる。「ゴジラ」は1954年に公開された映画ゴジラのノベライズになる。なお、ノベライズ版は主人公が南吉になっており、原作とは若干異なる内容になっている。また、「G作品検討用台本」は1954年に公開された映画ゴジラの検討用の台本になる。そのため、本書には1954年版「ゴジラ」の決定稿の脚本は収録されていない。なお、竹内博の解説によれば、1954年版「ゴジラ」の決定稿の脚本は三一書房の香山滋全集7巻等に収録されているとのことである。

2022年の映像

今年観た映像作品は以下の通り。

新機動戦記ガンダムW

昨年末から勢いで鑑賞を始めたガンダムW。リアルタイムで一部鑑賞、コミックボンボンを購読していたため、ざっくりと内容を把握しているつもりだったが、敵方の内紛など、内容は複雑、更に続編の小説(未読)では火星のテラフォーミングまで行き着く、射程の長い作品だった。

新機動戦記ガンダムW Blu-ray Box 2

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ターンエーガンダム

改めて振り返ると牧歌的な風景、登場人物の柔らかなデザイン、物語の展開等、何か御伽噺のような美しさがあるように思う。

SHIROBAKO

精神的に落ち込んだ際に友人に勧められて観た。そして終盤の23話を観て号泣した。

ロード・オブ・ザ・リング

指輪物語の読破後に観た。主人公の道中の風景が素晴らしい。

シン・ウルトラマン

今年唯一劇場で観た作品。シン・ゴジラの精神的続編とも言える。ウルトラマンならではのゆっくりとした展開は手に汗握る展開とは言い難いとも思うが、CGとウルトラマンと禍威獣のヌルヌルとした戦いやSF設定等で満足感は高い。

ウルトラマン

シン・ウルトラマンを観るにあたり鑑賞。途中にシン・ウルトラマンを観て最終話に至った。当時の特有の空気や遅さがあり、シン・ウルトラマンはこういった部分も取り入れていると思われ、おそらく、それが批判されているのだとも思う。なお、実相寺昭雄が監督している話は独特なカメラワーク等があり、少し印象が異なって、これもまた面白い。

ウルトラQ

ウルトラマンより更に前の作品があたるということは知っていたものの、これまでは観ることは無かった。なお、総天然色版で観た。怪獣や怪奇もの等、バラエティが豊富。

ロストシティ

コメディなアドベンチャー。ダニエル=ラドクリフが怪演。ブラッド=ピットはチョイ役で活躍。今時アドベンチャーかと思いきや非常に現代的なテーマを扱った作品になる。

ファブル

漫画を読んだ後に鑑賞。大立ち回りがあり、伝説の暗殺者という感じはしないものの、各登場人物の好演により、面白い作品になっている。

天気の子

星を追う子ども

雲の向こう、約束の場所

彼女と彼女の猫

ほしのこえ

新海誠監督作品「すずめの戸締まり」を観るにあたり、「天気の子」、「星を追う子ども」、「雲の向こう、約束の場所」、「彼女と彼女の猫」、「ほしのこえ」を観た。なお、未だ「すずめの戸締まり」を観るに至っていない。新海誠が自らの作品で同じテーマを繰り返しながら商業的な成功を手に入れたことを知った。

2022年11月23日/強靭

『DARK SOULS REMASTERED』をプレイしている。2022年11月19日に三人羽織を倒して注ぎ火の秘儀を入手し、日を跨いだ2022年11月20日に墓王ニトを倒した。2022年11月21日、灰の湖に達し、古龍の誓約を結んだ。前回のプレイから少し日が開いたため、地下墓地の骸骨剣士たちにかなり苦戦した。骸骨に神聖武器が有効であることを全く知らず、屍術師を倒すまでが辛かった。基本的にツヴァイヘンダーや黒騎士の剣の両手持ちプレイなのだが、盾を持って場を凌ぐことになった。車輪骸骨に身も心も装備を削り取られそうになった。巨人墓地の暗闇の対策は太陽虫の兜が無く、頭蓋ランタンを持つ必要が生じ、やはり剣の片手持ちとなった結果、決定打に欠け、仕方無く、石装備(ハベル装備は所持していなかった)で強靭度を上げ、墓王ニトを倒すまでゴリ押しすることになった。巨人墓地ではアイテムの取り逃しが多いようだが、太陽虫無しで入る気がしない。その後、ジークマイヤーのイベントを進めるため、病み村に赴き、勢いで大樹のうつろに入り、バジリスクの気持ち悪さと呪いに怯えながら灰の湖に達した。

新海誠が監督する「すずめの戸締まり」が公開され、その話題がTwitterのタイムラインに見受けられるようになった。未鑑賞だった「天気の子」、「星を追う子ども」、「雲の向こう、約束の場所」、「彼女と彼女の猫」、「ほしのこえ」を列挙順に観た。「雲の向こう、約束の場所」を観たところで、「君の名は。」のワンシーンや物語の構成の下敷になっていると思った。また、「ほしのこえ」を観て、「雲の向こう、約束の場所」や「秒速5センチメートル」の問題を継続として扱っていることが判った。ようやく新海誠が自らの作品で同じテーマを繰り返しながら商業的な成功を手に入れたこを知ったのだった。

天気の子

天気の子

  • 醍醐虎汰朗
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2022年11月3日/積まれたものたち

将来やら何やらを考えた時、残された時間は有効に、自分の好きなことを優先すべきなのだろうと思うものの、実際のところ、無駄に浪費していくばかり、とにかく思った時にやるべきなのだと自分を諭しつつ、落ち着いた時に等と先送りしてしまう。また、流行に気を取られて、知らぬ間にやるべきことを見失ってしまう。年齢的な問題なのか、継続して物事に取り組む意欲の低下を感じなくも無い。概して仕事に労力が割かれることが問題だと思うのだが、仕事を辞める金銭的余裕はあるはずがない。

「シン・ウルトラマン」を観るにあたって視聴を開始した「ウルトラマン」と「ウルトラQ」を8月に観終える。「シン・ウルトラマン」の元ネタを参照するのではあれば、「ウルトラマン」だけでなく「ウルトラQ」も観る必要があった。ただし、「ウルトラQ」の話の順序は一部を除き、オムニバス形式なので、適当な順番で観ても問題無いと思われる。
「ウルトラマン」にしろ「シン・ウルトラマン」にしろ、生命を授受するシーンがある。生命を取り扱う、それは神の所業であり、ウルトラマンという宇宙人が神に相当することが判る。巨大なものが神足り得るという発想はどこからと考えると、仏像等をすぐに連想できる。そういえば、「風の谷のナウシカ」に登場する人型の巨大兵器は巨神兵として神の名が与えられている。また、ゴジラもその名称の由来は島の伝説であり、英語表記ではGODZILLAと神の名が与えられている。
ゴジラといえば、最近、ゴジラ第一作の脚本家である香山滋の小説「ゴジラ」を手に入れた。これを機にマイケル=クライトン「ジュラシック・パーク」、アニメ版「GODZILLA」のノベライズ、円城塔「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」を一気読みする計画がある。なお、「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」のアニメは観ていない。

以前、ひたすら表示されるインターネット広告の誘惑に負け、暗殺者を描いた「ファブル」を読んだ。そして、その後に岡田准一主演が主演する実写版「ファブル」の第1作と第2作を観た。映画は見せ場を作る必要があるためか、大立ち回りがあり、暗殺者である主人公の存在が露見するだろうというツッコミを入れたくなる。しかし、それも含めて主人公の存在が現代には目立ち過ぎて扱いに困るという証明になっていると好意的に解釈することもできるかもしれない。

フロムソフトウェアの「ダークソウル リマスタード」をプレイしている。昨年、プレイしていたものの、センの古城を攻略中に放置していた。現在は改めてプレイを再開、王の器にソウルを集めるところまでに至った。果たして年内にクリアできるのかと思う。そもそもエルデンリングに興味を持ち、ダークソウルのプレイをしていたのだが…そして、パソコンやスマホには、クリアしていない「Fallout4」や「ファイナルファンタジー4」、「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争」もある。
テレビゲームといえば、RTA(リアルタイムアタック)の動画や配信が面白い。以前にも言及した通り「RTA in Japan」、最近では「JAWS PLAYERS」の配信を観た。

ナガノの「ちいかわ」を楽しんでいる。現在はちいかわの友人であるハチワレがキメラ化するのではないかと考えている。これについては改めて検証する記事を書くかもしれない。

たまたま時間があり、神田古本祭に赴いたものの、自宅やスマホに読むべき本が積まれていることを思い出し、何も買わずに帰宅した。

サントリー「ほろよい」CM(2022年)第1~3弾

先週Twitterを眺めていたところ、サントリー「ほろよい」のCMが話題になっていた。
CMの楽曲がtofubeats「水星 feat. オノマトペ大臣」と小沢健二 feauturing スチャダラパー「今夜はブギー・バック(nice vocal)」のアレンジとなっており、贅沢な作りだと思った。
調べてみると2022年2月からCMは公開され、既にSNSで話題となり、ギャラクシー賞CM部門大賞を受賞していた。

第1弾「ほろよい飲んで、何しよう?」

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水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal

水星 × 今夜はブギー・バック nice vocal

  • 池田智子 × TENDRE
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
今夜はブギー・バック nice vocal × 水星

今夜はブギー・バック nice vocal × 水星

  • kZm × 佐藤千亜妃
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
出演:古川琴音
イラスト:HAI
楽曲(実写ver):池田智子×TENDRE (produced by 冨永恵介)「水星」×「今夜はブギー・バック nice vocal」
楽曲(アニメver):kZm×佐藤千亜妃 (produced by Chaki Zulu)「今夜はブギー・バック nice vocal」×「水星」

第2弾「Netflixコラボレーション」

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CM内作品:「ストレンジャー・シングス 未知の世界」、「エミリー、パリへ行く」
イラスト:HAI
楽曲:(sic)boy「Heaven’s Drive」×「Stranger Things」

第3弾「ちょうどよい、ここちよい、ほろよい」

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出演:古川琴音
イラスト:HAI
楽曲:美波×大橋ちっぽけ「水星」×「今夜はブギー・バック nice vocal」meets「Yuri on ICE」


第3弾CMの「Yuri on ICE」について確認したところ、同テーマのオリジナルはピアニスト林正樹の演奏であることが判った。
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第1弾のアニメーションを眺めていたところ、下記のストリーミングで知られる lofi girl や study girl のアニメーションを思い出し、lo-fi hip hop の影響が明らかと思われた。
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インターネット上で本CMについて検索したところ、CM制作サイドを取材した以下の記事があった。
xtrend.nikkei.com
上記記事によれば、CM制作サイドは「ローファイ・ヒップホップ」と「シティポップ」のキーワードを共有しており、これらキーワードを基にイラストのイメージが採用されたという。
一方、音楽に関しては、幅広い世代に愛される「今夜はブギー・バック(nice vocal)」と若年層に人気の「水星」を組み合わせることで、20代以上の全世代に訴求する狙いがあったと記載されているものの、「ローファイ・ヒップホップ」や「シティポップ」との関係性については触れられていない。
なお、tofubeats「水星 feat. オノマトペ大臣」と小沢健二 feauturing スチャダラパー「今夜はブギー・バック(nice vocal)」は少なくとも発表当時は「シティポップ」に分類されていない。また「水星」の発表当時、「ローファイヒップホップ」というジャンルは無かった。
しかしながら、楽曲はアレンジやカバーによってイメージとの一致を図っているように思われる。
こういったマスプロダクションの解釈の影響によって、「ローファイ・ヒップホップ」や「シティポップ」が拡張され、将来「水星」や「今夜はブギー・バック」が「ローファイ・ヒップホップ」や「シティポップ」と呼ばれる日が来るかもしれない。

2022年3月下旬~6月上旬

3月末、忙しさをどうにか誤魔化していたものの、初歩的な仕事のミスに気が付き、一気に気落ちしてしまった。こうなるともうどうしようもないのだが、一人で抱え込んで沈むことはもう何度も繰り返している。そこで友人たちに相談したところ、好きな作品を読んだり観たりして元気を出すというアドバイスを貰った。友人の一人のお勧めはアニメのSHIROBAKOと響けユーフォニアムを観ることだった。

せっかく勧めてくれたのだからとSHIROBAKOの視聴を開始した。アニメの制作現場の話となるため仕事の締切の話題が良く挙がる。仕事で常に締切に追われている立場からすると全く気が休まらなかった。とは言え視聴さえ開始すれば夢中になるのは容易い。終盤の23話を観て号泣した。そして泣くために何度も同じシーンを繰り返し観た。最後は涙が出ず、顔から肩に掛けての筋肉の痙攣だけが残った。映画版も観た。失敗しても成功しても、仕事は明日も続いていくという終わりに納得することはできたものの、物語の中だけでも幸せなラストで幕を降ろして欲しいと思うことは勝手過ぎるのだろうか?

響けユーフォニアムを調べたところ、アニメから原作まで堪能したい欲求に駆られそうになったため、次に落ち込んだ時のために取っておくことにした。

今年の2月頃から良い加減に読んで置こうと、ホビットの冒険と指輪物語を読み進めていた。指輪の魔力に魅せられて苦しむフロドの様子が自分の精神的な落ち込みと重なった。映画は未見であったため、大団円を迎えた後に役割を終えた者たちが世界を去っていくことを知らず驚くこととなった。物語の世界であれば役割を終えた者たちの幕引きが用意されている。しかし我々は?そんな気持ちにもなった。なお、原作読了後にホビットの冒険を除く映画版を観た。映画版は王族系の登場人物が底の浅い設定になっており、この点に関してがっかりした。

精神的低空飛行はゴールデンウィーク後も続いた。観ようと思っていたシン・ウルトラマンの公開も始まった。しかし映画館に脚を運ぶ気になれない。健康診断の追加検査を予約し結果に異常が無いことを知る。5月の終わり頃、晴天の朝に気持ち良く目を覚ました。この時、ようやく精神的に復調したことが実感できた。シン・ウルトラマンを観るためにウルトラマンとウルトラQの視聴を開始した。シン・ウルトラマンの内容が徐々に公開され始めた。決定的なネタバレを避けるため、6月の初めに映画館に赴いた。シン・ゴジラの精神的続編として楽しむことができた。ウルトラマンやウルトラQを視聴してテンポの遅さに慣れ、小ネタに反応できる状態だったことが功を奏したかもしれない。

そうやって新年度の2ヶ月が過ぎて行った。