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コングレス未来学会議

アリ=フォルマン監督作品『コングレス未来学会議』を観た。原作はスタニワフ=レム著「泰平ヨンの未来学会議」。ハリウッドは人気絶頂期の俳優をスキャンしデジタルデータとして自由に作品をつくる事が可能となっていた。「キアヌ=リーブスもサインした。…

2015年10月5日〜2015年10月11日

スガダイローの刃文を聴いている。蓮の花が美しい。ピアノは単純にその音色だけで美しい。「帰ってたんだ。」夫はそれだけ言うと鞄を持って午前七時前に家を出て行った。もう、会話はこれ以上は起こるべくも無い。トーストを齧り八時前に自宅を出る。通勤に…

2015年9月28日~2015年10月4日

琵琶湖でドライブしてバーベキューをする夢を見た。「人間に疲れヤギになった男」というニュースを目にしていたのだが、また外国の変人かと無視していた。どうやら「ゼロからトースターを作ってみた」、文庫版では改題された「ゼロからトースターを作ってみ…

『マッドマックス 怒りのデスロード』

ジョージ=ミラー監督作品『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観た。荒野、改造車の傍らに男が佇んでいる。入り乱れる無線の音、脚元に現れたトカゲを踵で踏み潰し、口に運ぶ。男たちに捕らえれ、生きた輸血袋としてスキンヘッドの色白男に繋がれる主人…

ソラリス

スタニワフ=レム著、沼野充義訳『ソラリス』を読んだ。飯田規和訳はロシア語からの翻訳になるらしいのだが、そのロシア語版は編集サイドの自主的な検閲により一部削除された箇所があるという。沼野充義訳はポーランド語版からの翻訳になり、国書刊行会から…

2015年9月21日~2015年9月27日

ブレードランナーを観たところ、大変感銘を受けた。これが初めての鑑賞ではないのだが、やっと作品のディテールを読み込めるようになったという事だろう。そもそも当初の鑑賞は中学生か高校生の頃まで遡る。おそらく何らかの媒体で評判が良い事を知ったのだ…

2015年9月14日~2015年9月20日

連日の勤務の為か、早朝目覚めてしまう。早めに自宅を出るとヒールを履いた女性は小走りに、その横を両手に鞄を持った男性が歩く。例えばこの男性がスーツを脱いだ無職になっても、二人の関係は続くのだろうか…経済力は重要だ、そんな結論しか出ない。リクル…

『天の声・枯草熱』

スタニワフ=レム著、沼野充義・深見弾・吉上昭三訳『天の声・枯草熱』を読んだ。スタニワフ=レムの長篇二編が収められている。 天の声 偶然発見された地球外からの信号を研究する為に一流の科学者達が集められた。しかし信号の一部を解読して出来たのはコ…

泰平ヨンの未来学会議

スタニワフ=レム著、深見弾・大野典宏訳『泰平ヨンの未来学会議』を読んだ。アリ=フォルマン監督が本作を原作に「コングレス未来学会議」として映画化している。映画を観たのだが、メタ的な視点やドラッグがもたらす幻覚をアニメーションで描く等面白い演…

2015年9月7日~2015年9月13日

吉田一郎不可触世界のあぱんだを聴く。自宅を出ると目の前に若い男女が傘を差しながら歩いている。東京で生きる事に救われていると考えてみた。果たしてそうだろうか。高校生がだらしなく鞄を肩に掛け追い抜いて行った。確かに片田舎にいれば何かと窮屈な思…

2015年8月31日~2015年9月6日

霧雨程度の雨だと気がつき傘を畳むと、電線から滴る水滴がこめかみに落ちた。雨がもたらしたのは蒸し暑さだった。流されるがままにたどり着いた場所で得た出会いも、研鑽の上にたどり着いた場所で得た出会いも、共に等価だと気がついた。朝、制服姿の学生を…

短編ベスト10

スタニワフ=レム著、沼野充義・関口時正・久山宏一・芝田文乃訳『短編ベスト10』を読んだ。ポーランドのSF作家スタニワフ=レムの短篇集。読者投票、編者、レムによって選ばれた短編十五作の内、十篇を邦訳したものとなっている。翻訳者の一人である沼野充…

隠し砦の三悪人

黒澤明監督作品『隠し砦の三悪人』を観た。大名同士の戦いに参加するも何も出来ず、捕虜となるも反乱が起き、何とかその場を逃げ出した百姓二人は、偶然にも金の延棒を発見する。大名の隠し財産だとはしゃぐ百姓だったが、そこに屈強な男が現れる。百姓二人…

『ゴッド・ファーザー』『ゴッド・ファーザー PART2』『ゴッド・ファーザー PART3』

フランシス=フォード=コッポラ監督作品『ゴッド・ファーザー』『ゴッド・ファーザー PART2』『ゴッド・ファーザー PART3』を観た。今更ながら「ゴッド・ファーザー」シリーズを観た。PART2までは楽しく観れたものの、PART3はやや冗長、ゴッド・ファーザー…

七人の侍

黒澤明監督作品『七人の侍』を観た。物語の主役が侍だとばかり思っていた。しかし物語の終わりに侍を用心棒として雇った農民たちこそ主役だという事が明らかになる。そういえばと友人が話していた武士道に関する本の話題を思い出した。友人が話していた内容…

2015年8月24日~2015年8月30日

外は意外にも涼しかった。自宅から百メートル程歩いたところでベルトを締め忘れた事に気がついた。来た道を引き返す。女性が着ているポロシャツがおそらくそのまま会社のユニフォームだった。エンジニアらしい。若い男女の睦まじい様を眺める。耳許で流れる…

風と共に去りぬ

ヴィクター=フレミング監督作品『風と共に去りぬ』を観た。最近翻訳家である鴻巣友季子がマーガレット=ミッチェルの原作の新訳を発表して話題のようだ。私はヴィヴィアン=リーを観る為に本作を観たのだが、その半生を描いた本作はとても長かった。南北戦…

欲望という名の電車

エリア=カザン監督作品『欲望という名の電車』を観た。脚本はテネシー=ウィリアムズ。学生の時、病跡学の論文を読み進める講義があった。論文はたいてい著名な芸術家等が対象になっていたのだが、フィクションである本作のヴィヴィアン=リー演じるブラン…

羅生門

黒澤明監督作品『羅生門』を観た。羅生門に通り雨が降り注いでいる。そこに雨宿りの為に男がやってくる。門の下には放心状態の杣売り*1と旅法師がいた。杣売りと旅法師は自身が関わったある殺人について語り始める。検非違使に引き連れられてやって来た事件…

2015年8月17日~2015年8月23日

隣に立っている十代の女性が捲る単語カードに目をやると poison とあった。なぜ俺が見た時に限って、という思いが拭えない。客先に向かう途中、須藤元気を見掛ける。たぶん、あれは須藤元気だと思うのだが、別段感動も無く、興味が無いという事がよく判った…

アメリカン・スナイパー

クリント=イーストウッド監督作品『アメリカン・スナイパー』を観た。本作はイラク戦争にて狙撃手として従軍し「伝説」と呼ばれたクリス=カイルを主人公としたものである。 女性子供をためらいながらも射殺する。軍人であり、伝説と呼ばれた狙撃手が主人公…

2015年8月10日~2015年8月16日

雨が降るという予報が出ている。よく見れば路面が濡れている。電車の乗客が明らかに少ない。世間はお盆休みという事らしい。思わずため息を吐きたくなる。洗濯物を干した後、着替えていると汗が噴き出した。駅に着く頃には汗塗れになり、我ながら呆れてしま…

2015年8月3日~2015年8月9日

夜、台所の電気を点けていた為か、蝉が窓の外で鳴く。電池が切れかかったのか如く、鳴き声が弱まっていく。ここで鳴いている場合で無いだろう、何よりうるさい。窓を叩くと格子に止まっていた蝉はビビッと鳴き、飛び立った。目の前に Juice=Juice のミュー…

神々のたそがれ

アレクセイ=ゲルマン監督作品『神々のたそがれ』を観た。原作はアルカジー&ボリス=ストルガツキー著「神様はつらい」になり、早川書房の「世界SF全集 24 ゴール、グロモア、ストルガツキー兄弟」に大田多耕訳が収められている。 まず、中原昌也のコメント…

2015年7月27日~2015年8月2日

早めに目覚めジーンズを洗い干す。遠くから猫の鳴き声、一軒家から女子高生が自転車で出掛ける物音が聴こえる。着替えて自宅を出る。一気に汗が噴き出る。駅構内の入口で手を繋いだ男女を見掛け正気かと思う。スタニワフ=レフの完全なる真空を読み終え、群…

ゼロからトースターを作ってみた

トーマス=トウェイツ著、村井理子訳『ゼロからトースターを作ってみた』を読んだ。 翻訳者のブログやtwitterがとても面白く、どんな作品を翻訳しているのか興味を持ったのが本書を手に取った理由である。本書はイギリスの大学院生が卒業制作の為にゼロ―原材…

知的生き方教室

中原昌也著『知的生き方教室』を読んだ。 アベノミクス、オリンピックで息を吹き返した作家の件に腹を抱えて笑った。 また居酒屋経営のゴローちゃんの件も笑った。 更にダンサーやらキーボード奏者の単独リサイタルを開催するも客無しに笑った。 笑う以外に…

寺田寅彦を読む

寺田寅彦著『コーヒー哲学序説』『数学と語学』『カメラをさげて』『映画と生理』『わが中学時代の勉強法』『映画芸術』『秋の歌』を読んだ。 『〈わたし〉の哲学 オートポイエーシス入門』にて寺田寅彦が取り上げられていたものの、作品を読んだ事が無かっ…

風立ちぬ

堀辰雄著『風立ちぬ』を読んだ。 本書を読んだのは宮﨑駿が本作に着想を得て制作した同名の映画の影響だ。実際どのような作品なのか興味を持ったのである。 読んでみると「お前は…」と婚約者の問い掛けから始まり高原の風景描写が続き、また婚約者の結核の病…

2015年7月22日~2015年7月26日

友人がアパートの草刈りに参加していると同年代の男性と親しくなった。彼はポジティブ心理学なるものを信奉しており、いざ話し始めると発言を解釈して「要するに自信が無いって事ですよね?」等と応え友人を苛立たせた。ある時、自宅に何人かの友人を呼び飲…

浮雲

二葉亭四迷著『浮雲』を読んだ。 本書は言文一致体で書かれた近代日本小説の始まりとして知られるのは誰もが学校の授業で習い知っている。実際、読み勧めると軽妙な語り手が存在し物語の進行を務めており、これは戯作と呼ばれる通俗小説の影響だと言う。 さ…

2015年7月13日~2015年7月21日

朝早く起き洗濯物を干した。雨戸を開けると塀の上の猫がこちら見つめていた。外は暑く、隣に座った男性から校庭を走って汗と砂に塗れたかのような臭いがした。仕事の合間にパソコンでニュースを眺めていると大きな地震があり、また任天堂の岩田聡が亡くなっ…

2015年7月6日~2015年7月12日

思いの外、早く目覚めたので洗濯をする。外は雨、おそらく洗濯物は部屋干ししても乾かないだろう。サーキュレーターでも買えば良いのだろうが、一度部屋から外に落として以来、買うのを躊躇っている。足早に雨の中を駆ける女性。丈の短い長靴を履いているよ…

2015年6月29日~2015年7月5日

雑に作業着に身を包んだ中年の男性が隣に座った。腰に結んだ上着、紺色のTシャツから漂う乾いた汗の臭い。薄汚れた鞄から文庫本を取り出し背表紙の紹介文をじっと眺めている。本を裏返すと澁澤龍彦の夢の宇宙誌〈コスモグラフィアファンタスティカ〉とある。…

2015年上半期の音楽

2014年12月から2015年6月まで聴いた音楽をまとめた(→2014年下半期のまとめ)。 上半期は友人に誘われライブフェスに二度程行く機会があり、気に入ったアーティストの音源を逐次購入した。また柳樂光隆が監修した『Jazz The New Chapter』『Jazz The New Chapt…

2015年6月22日~2015年6月28日

以前通っていた総合病院に赴いたものの、二年振りだった為に受付で弾かれてしまう。事務員によれば紹介状が無ければ三千円掛かってしまうという。決して安いお金では無いと思い、別の病院に赴く事にする。しかし近くに病院があったところで気軽に利用出来な…

『イスラム国の正体』『イスラム国の衝撃』『イスラム国とは何か』

国枝昌樹著『イスラム国の正体』、池内恵著『イスラム国の衝撃』、常岡浩介著(聞き手高世仁)『イスラム国とは何か』を読んだ。 上記三冊は日本人が人質となり殺害された後に読んだものである。この事件の経過は主に『イスラム国の衝撃』の著者のブログを参照…

2015年6月15日~2015年6月21日

スタニワフ=レフのソラリスを読み進める。食後、二時間程寝入ってしまった為に夜に眠れなくなってしまう。諦めて更に本を読み進め、切りの良いところで本を置く。既に空が明るみ始め、鳥の囀りが聞こえている。ため息しか出ない。余りにも馬鹿らしいので仕…

2015年6月8日~2015年6月14日

真夜中、コンビニに赴くと赤子を抱えた女性と男性が買い物をしていた。女性は男性を待ってこの時間まで起きていたのだろうか。子どもがいるからこそ、この時間まで起きていたのだろうか?「覇気が感じられないけど。」「そんなもの無いですよ。」「そもそも…

2015年6月1日~2015年6月7日

朝から洗濯をした後、スタニワフ=レムの泰平ヨンの未来学会議を読み進める。二階から男女がアイドルについて語り合い、眺めているであろう動画の音声が聴こえて来る。二人の漏れ聞こえて来る会話から、付き合っている訳では無いにも関わらず一晩を共にして…

2015年5月25日~2015年5月31日

早起きの為に朝焼けを眺める事になる。タイムラインを眺めればマジックタイムだと言う。確かに細かい事はどうでも良くなる美しさがある。もちろん、その程度の悩みでしか無いのだが。好い加減、上着は必要無い。自らが異邦人になったかのような異国情緒を感…

2015年5月18日~2015年5月24日

髭を剃ったところ、できものごと剃り落としてうんざりしている。長い髪をした女性が体勢を保つ為にドアの窓に左手を添える。その左手の薬指に指輪が見え、納得しながらそんな事を気にしている自分が馬鹿らしいと思う。上司の思いつきの発言に我慢が出来ず反…

2015年5月11日~2015年5月17日

何度か言及したネットで炎上した保守系議員が駅前で挨拶をしている。彼は今回の選挙で得票数を下から数えて二、三番目で当選を果たしている。ひたすら他人の作った書類の正誤を確認している。平野啓一郎のマチネの終わりにの連載を読むのが日課となった。こ…

2015年4月28日~2015年5月10日

友人が何の気無しに電話を掛けて来た。去年も誕生日に偶然電話を掛けて来た記憶がある。中学生の頃の友人の話を聞くのだがなかなか面白い。皆それなりの人生を送っているらしい。友人は開口一番「仕事辞めたか」と尋ねて来た。まあ仕方無い事なのだが。そう…

『Jazz The New Chapter』『Jazz The New Chapter 2』

柳樂光隆監修『Jazz The New Chapter ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平』『Jazz The New Chapter 2』を読んだ。 『Jazz The New Chapter』では、Robert Glasper*1 を起点として90年代以降のジャズ史が語られている。ここで Robert Glasper に…

渚にて

ネヴィル=シュート著佐藤龍雄訳『渚にて』を読んだ。 オーストラリアの陽が射すビーチにて、人々は水着姿でぼんやりと放射能がやってくるのを待っている。そんな気怠い物語をイメージしていた。しかし本書は全くそのような物では無い。放射能が南下するなか…

『33年後のなんとなく、クリスタル』

田中康夫著『33年後のなんとなく、クリスタル』を読んだ。 その題名の通り、「なんとなく、クリスタル」の33年後が描かれている。物語は田中康夫その人が「なんとなく、クリスタル」の登場人物のモデルとなった人々と再会するという内容。注も「なんとなく、…

『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2』

小川一水著『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2』を読んだ。 「天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1」の続編。第Ⅰ巻のイサリ視点だったPART1よりその先の物語が描かれる。フェロシアンにより重症を負ったカドムはラバーズの人口内蔵を移植され生還。メ…

インターステラー

クリストファー=ノーラン監督作品『インターステラー』を観た。広がるトウモロコシ畑、主を失ったドローン。地球規模の異常気象に為す術も無い人類は、軍隊を解体し、教育を諦め、科学技術を放棄、衰退の一途を辿っている。ある時、元宇宙飛行士のトウモロ…

小さいおうち

山田洋次監督作品『小さいおうち』を観た。 中島京子原作。原作は未読。「舟を編む」に出演していた黒木華が気になり本作を観賞。尚、本作で黒木華はベルリン映画祭女優賞を受賞している。大学生健史の大叔母で戦前女中をしていたタキが亡くなる。タキの遺品…