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読書

ゴジラの精神史

小野俊太郎著『ゴジラの精神史』を読んだ。 「モスラの精神史」に引き続き本書を手に取った。本書は『ゴジラ』(1954年版)を中心に論じたものなっている。本ブログでは「ゴジラVSデストロイア」を言及した際『ゴジラ』(1954年版)の概要を追っている。以下は本…

メキシコ麻薬戦争

ヨアン=グリロ著山本昭代訳『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』を読んだ。 原題である「El Narco(ナルコ)」は麻薬密輸人を指す。メキシコの麻薬組織の話題はネットで時折見掛けており、その凄惨さには驚かされる事がしばしば…

『なんとなく、クリスタル』

田中康夫著『なんとなく、クリスタル』を読んだ。 菊地成孔がラジオにて朗読しており、興味を持った。本書の概要、当時の若者の文化を多くの注釈を用いて描いたという事くらいなら知っている。しかしそれを知ったのも著者が政治家になった折りである。 実際…

モスラの精神史

小野俊太郎著『モスラの精神史』を読んだ。 本書は1961年に公開された『モスラ』を精神史的に読み解いたものである。 本棚で埃を被っている本書を取り出したのは「パシフィック・リム」やアメリカ版「ゴジラ」の公開による昨今の雰囲気に押されてである。お…

『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1』

小川一水著『天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1』を読んだ。 大長篇「天冥の標」シリーズ最新刊。PART2は今年中に出版予定だという。 西暦2800年の植民地惑星を描いた第Ⅰ巻に本作は連なるものとなっている。第Ⅱ巻以降、西暦2000年代から西暦2800年に至る…

幻のアフリカ

ミシェル=レリス著、岡谷公二・田中淳一・高橋達明訳『幻のアフリカ』を読んだ。 本書は、ダカール=ジブチ、アフリカ横断調査団の書記兼文書係であったミシェル=レリスが1931年5月19日~1933年2月16日の1年9ヶ月間を記録した公的な記録であり日記である。…

血と暴力の国

コーマック=マッカーシー著、黒原敏行訳『血と暴力の国』を読んだ。 原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」、既に映画化されており、観賞済みである。 原作を手に取った理由を考えると、似たような物語的構造を持った「オンリーゴッド」を観た事、TwitterでBase…

錯乱のニューヨーク

レム=コールハース著、鈴木圭介訳『錯乱のニューヨーク』を読んだ。 この本は以前購入していたもので、ヴァルター=ベンヤミンのパサージュ論について調べていたところ、参考図書として挙がっていたものだと記憶している。尚、ベンヤミンのパサージュ論を未…

頑張って生きるのが嫌な人のための本

海猫沢めろん著『頑張って生きるのが嫌な人のための本~ゆるく自由に生きるレッスン』を読んだ。 題名に気を惹かれ手に取った。ラジオで語る著者は面白く以前から興味を持っていた事もある。本書は著者の友人であるKが自殺した事をきっかけに書かれたという…

自発的隷従論

エティエンヌ=ド=ラ=ボエシ著、西谷修監修、山上浩嗣訳『自発的隷従論』を読んだ。 著者はモンテーニュの無二の友人と知られ、「エセー(随想録)」に於いて言及された人物として知られているという。モンテーニュは若くして亡くなった著者の本書の原稿を…

幼年期の終わり

アーサー=C=クラーク著『幼年期の終わり』を読んだ。 冒頭、火星を目指すはずだった宇宙飛行士たちは、巨大な宇宙船が到来した事を知り、自分たちが出発する事は無いだろうと悟る。 地球に対して、攻撃はせず圧倒的な科学力を見せつける事によって、戦争と…

『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』『ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ』

飛浩隆著『グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ』『ラギッド・ガール 廃園の天使Ⅱ』を読んだ。 仮想リゾート数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)。その区界に人間の情報的似姿を送り込み、その情報を脳に読み込み数値海岸での体験を得る…。『グラン・ヴァカンス 廃…

象られた力

飛浩隆著『象られた力』を読んだ。 飛浩隆の「グラン・ヴァカンス」シリーズを読む前の手始めとして読んだ。 本書は全4篇の作品が収録されている。 「デュオ」…双子の天才ピアニストについて記された手記。サスペンス調。 「呪界のほとり」…小さなドラゴンら…

バレエ・メカニック

津原泰水著『バレエ・メカニック』を読んだ。 バレエ・メカニックという言葉で坂本龍一の作品を思い出し、更に遡れば短編映画の題名といううろ覚えの知識。最近では安藤ロイドなるテレビドラマで主人公がネットで将棋を指す際のハンドルネームだったとか。 …

『天冥の標』Ⅰ~Ⅶ

小川一水著『天冥の標』を既刊Ⅰ~Ⅶまで読んだ。 全Ⅹ巻からなるシリーズものであり現在でⅦ巻まで発表されている。但しⅩ巻といっても1巻を前後編、3パート毎に分冊で発表される形で、現状で10冊刊行されている。 第Ⅰ巻は西暦2800年の植民地惑星から始まる。酸…

老ヴォールの惑星

小川一水著『老ヴォールの惑星』を読んだ。 TwitterのTL上で小川一水著「天冥の標」が面白いという評判だった。調べてみると「天冥の標」は全十巻の大作だと聞き、まず作品集である本書を手に取った。 本書は、 ギャルナフカの迷宮 老ヴォールの惑星 幸せに…

『〈盗作〉の文学史』

栗原裕一郎著『〈盗作〉の文学史』を読んだ。 本書は文芸作品に関する盗作事件を収集、分析、検証したものである。 それでは盗作と何なのか。著者によれば「「盗作」にしろ「剽窃」にしろ、いずれも俗語だから、明確な定義は持っていない。」という*1。 もし…

金融の世界史

板谷敏彦著『金融の世界史』を読んだ。 経済及び金融関連の本を読もうと手に取った。 本書は経済、金融市場の形成を具体的な記述で描いたもの。内容が非常に具体的な出来事を取り上げる形になっており、金融・経済の知識がない者が読んでも間違い無く面白い*…

2013年の読んだ漫画メモ。

今年は読んでいた漫画が連載を終えた年だった。 「GANTZ」、「おやすみプンプン」、「アフロ田中」。 特に「おやすみプンプン」の終盤は読みながら不安になるしかなかった。それに比べると「GANTZ」と「アフロ田中」は終わりに笑ったという点で素晴らしいの…

『女の子を殺さないために 解読「濃縮還元100パーセントの恋愛小説」』

川田宇一郎著『女の子を殺さないために 解読「濃縮還元100パーセントの恋愛小説」』を読んだ。 本書は以前から気になっていたものだった。 なぜ、小説に於いてヒロインが死ぬという事態が起きるのか、本書はその構造を考察したものである。 川端康成、庄司薫…

『福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2』

『福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2』を読んだ。 『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1』の続刊。本書は題名の通り、福島第一原発の観光地化計画案が掲載されている。 本書は4部から構成されている 制度をつくる 福島第…

すべてはモテるためである

二村ヒトシ著『すべてはモテるためである』を読んだ。 「あなたがモテないのキモいから」という本書の有名の言葉がある。ただしく引用すれば「なぜモテないかというと、それはあなたがキモチワルいからでしょう。」である。本書は非常に冷静怜悧なモテるため…

私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな

ジェーン・スー著『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』を読んだ。 著者は作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍している。私はラジオで著者の30代女性の恋愛事情についての語りに爆笑したくちであり、本書も笑っ…

『ベンヤミン 子どものための文化史』

ヴァルター=ベンヤミン著小寺昭次郎・野村修訳『ベンヤミン 子どものための文化史』を読んだ。 本書はベンヤミンが1929年~1932年に子どものために定期的に放送した講演シリーズのタイプ原稿を集めたものである。ベンヤミン自身はこれらの仕事を「パンのた…

夜の経済学

荻上チキ、飯田泰之著『夜の経済学』を読んだ。 経済学という謳っているものの、夜の、という言葉が示す通り、風俗、個人売春、アダルトメディア、若者、生活保護、流言等について扱っている。 但し、データを自ら収集し、それを解析しており、その方法も丁…

虚構内存在

藤田直哉著『虚構内存在』を読んだ。 本書は筒井康隆が提唱した「虚構内存在」及び「超虚構理論」が論じられる。 「虚構内存在」及び「超虚構理論」とは、 本論で詳細に論じるので、ここでは非常に単純化して述べるが、それは、 フィクションの中のキャラク…

『ボンクラーズ、ドントクライ』『オブザデッド・マニアックス』

大樹連司著『ボンクラーズ、ドントクライ』『オブザデッド・マニアックス』を読んだ。 以前、読んだ『ほうかごのロケッティア』を含めて著者の三部作になると勧めた友人から聞いている。 本書を読んだ後、川田宇一郎著『女の子を殺さないために 解読「濃縮還…

『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』

國分功一郎著『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』を読んだ。 本書を要約すれば、 国民の主権とは立法権である。 国民は選挙によって議会に議員を選出する。 議会で議員は法律を制定する。 しかし行政が実施しようとする政策は国民…

『モダンタイムス』『ゴールデンスランバー』

伊坂幸太郎著『モダンタイムス』『ゴールデンスランバー』を読んだ。また映画『ゴールデンスランバー」も観た。 尚、『モダンタイムス』は『魔王』の続編という設定の為、『魔王』を再読した。 これらは『死神の浮力』を読み、とりあえず『ゴールデンスラン…

夜の果てへの旅

セリーヌ著生田耕作訳『夜の果てへの旅』を読んだ。 手に取った理由はブコウスキーがセリーヌの著作を愛読していた事を知った為である。医学生である主人公バルダミュは友人と論争の末、勢いで第一次世界大戦に従軍、負傷後、アフリカ、アメリカを遍歴、フラ…

誰も戦争を教えてくれなかった

古市憲寿著『誰も戦争を教えてくれなかった』を読んだ。 本書は著者が、主に第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争を扱った各国の戦争博物館を巡り、その記憶を遺し方、その意味を検討したものである。各国の戦争博物館を巡る事によって現在に、第二次世界大戦…

映画を見に行く普通の男

ジャン=ルイ=シェフェール著丹生谷貴志訳『映画を見に行く普通の男 映画の夜と戦争』を読んだ。 著者はロラン=バルトの推薦により絵画理論を発表し美術理論家として注目された人物であり、ドゥルーズ『シネマ』(第二巻、「時間イメージ」)に於いて本書…

果てしなき渇き

深町秋生著『果てしなき渇き』を読んだ。 著者のブログを読む機会はあり、いつか著作も手に取ってみようと思っていたところ、中島哲也監督により本書を「渇き」として映画化するとの事。この機会にと思い本書を手に取った。元警官の警備員が出会ったコンビニ…

死神の浮力

伊坂幸太郎著『死神の浮力』を読んだ。 『死神の精度』の続編、主人公は変わらず死神の千葉、そして短編の形式から長編になっている。 死神の仕事にはルールがある。情報部から情報を受け取った死神は対象者の死の可否を判断する為、接触を図る。その期間は7…

『まんが 哲学入門』

森岡正博+寺田にゃんこふ著『まんが 哲学入門 生きるって何だろう?』を読んだ。 森岡正博と言えば「草食系男子の恋愛学」、「感じない男」と言ったセクシャリティの問題を扱った著作が有名であるが、私のこれらの著作を読んでいない。 そんなところで本書…

惜日のアリス

坂上秋成著『惜日のアリス』を読んだ。 冒頭を読みながら余りにたどたどしい文章が続いた為、読むのを辞めようかと思ったのだが、そのたどたどしい文章は主人公が起きた出来事を言葉にしていた為だと気がつき、そのまま読み進めた。本書は著者の小説デビュー…

『文化系トークラジオ Lifeのやり方』

鈴木謙介 長谷川裕+Life Crew著『文化系トークラジオ Lifeのやり方』を読んだ。 本書はTBSラジオで現在も放送されている『文化系トークラジオ Life』を書籍化したものだ。 番組プロデューサーである通称「黒幕」こと長谷川裕による番組制作の経緯やどのよう…

『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1』

『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド 思想地図β vol.4-1』を読んだ。 東浩紀等が立ち上げた株式会社ゲンロンで創刊された思想地図βの新刊。尚、思想地図βでは東日本大震災が発生した年に「震災以後」と題した特集号を発刊している。 本書は、1986年4…

海炭市叙景

佐藤泰志著『海炭市叙景』を読んだ。 加藤典洋著「文学地図」内の時評に紹介されており興味を持ち手に取った。舞台となるのは北海道の架空の地方都市「海炭市」である。解説によれば海炭市のモデルになっているのは著者の故郷である函館市である。海炭市とあ…

潜勢力―『バートルビー 偶然性について』

ジョルジョ=アガンベン著高桑和巳訳『バートルビー 偶然性について』[附]ハーマン=メルヴィル著『バートルビー』を読んだ。 「バートルビーと仲間たち」を読み終え、改めて『バートルビー』と、未読だったアガンベンの『バートルビー 偶然性について』に目…

描かない『バートルビーと仲間たち』

エンリーケ・ビラ=マタス著木村螢一訳『バートルビーと仲間たち』を読んだ。 こちらの本も「文学地図」同様、購入してから放置していたものだが、発売当初は非常に話題になっており「文学地図」の時評でも取り上げられている。その時評では「自分は何者でも…

「関係の原的負荷」を中心に―『文学地図』

加藤典洋著『文学地図』を読んだ。 本書は、著者の文芸時評と文芸評論が収められたものである。 文芸時評は第一部として「文芸時評の二十年」と題されており、三つの期間に別れている。 一九八九年~一九九〇年の共同通信配信のもので著者曰く「地方新聞に掲…

ポストモダンの共産主義

スラヴォイ=ジジェク著栗原百代訳『ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として』を読んだ。 題名にある悲劇と笑劇は2001年9・11同時多発テロと2008年の金融大崩壊を指す。 本書は、ベルリンの壁崩壊以降、リベラル民主主義と資本主義…

ほうかごのロケッティア

大樹連司著『ほうかごのロケッティア』を読んだ。 友人からライトノベルを勧められ読んだ次第。以前からこの友人にライトノベルを読めと言われていたものの、特に興味がある訳でも無いという状況だった。過去に「ブギーポップ」シリーズをやはりライトノベル…

物語 哲学の歴史

伊藤邦武著『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』を読んだ。 本書は哲学史を一つの物語として古代から現代、そして将来を見通そうとしており、 (省略)本書で展開しようとする哲学史のストーリーは、主として「人間の精神」をどのようなものとして…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹著『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んだ。

Boy's Surface

円城塔著『Boy's Surface』を読んだ。

服はなぜ音楽を必要とするのか?

菊地成孔著『服はなぜ音楽を必要とするのか?「ウォーキング・ミュージックという存在しないジャンルに召喚された音楽たちについての考察」』を読んだ。

2012年読書概括

読書記録はBooklogに記録している。 漫画を除くと人文科学系・小説・エッセイを29冊読んだ。昨年から今年に掛けて、割と読書は出来ているという印象を受ける。 ゴーストの条件 クラウドを巡礼する想像力 (講談社BOX)作者: 村上裕一,村崎久都出版社/メーカー:…

2012年、平凡、読んだ漫画メモ

2012年に読んでいた漫画、というよりは去年辺りからモーニング、ヤングアニマルを購読するようになり、実質単行本を買う必要が無くなっている。 映画化した『ヒミズ』新装版の単行本を読んだ。古谷実を初めて読んだのだが、描かれる人間は救いようの無い感じ…