泰平ヨンの航星日記

スタニワフ=レム著、深見弾・大野典宏訳「泰平ヨンの航星日記」を読んだ。 2016年8月半ばに読んだ作品となる。 さて、困ったことがある。それは私が本書の内容を全く以て忘れてしまったことである。しかも本書は泰平ヨンを主人公として連作集となるため、文…

銀河英雄伝説

田中芳樹著「銀河英雄伝説」を読んだ。 2016年7月~同年の8月に掛けて同作品を読んだ。きっかけはヤングジャンプで連載中の藤崎竜の漫画がきっかけになる。ちなみに新作のアニメは未見である。 自由惑星同盟と帝国、そして背後で暗躍する商業惑星国家の趨勢…

『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』

松尾衡監督作品『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』を観た。 菊地成孔がBGMでは無く物語内の主人公たちが聴くジャズ、ポップスの音楽に関わっていると知り興味を持った。 物語は菊地成孔のメッセージの通り「宇宙での悲惨な戦争」となり、随所…

2018年11月3日/投企

電車の車両を移動している際にドアが開いているにも関わらずドアを開けようという意識だけが先行した結果、ドアを閉めるという自体に陥り、透明なガラスに体当たりをする結果になった。 人はドアに付いた突起物をドアノブと認識して自然とドアを開ける事がで…

2018年9月24日/ホモ・ルーデンス

深町秋生の「インジョーカー」は外国人技能実習生の問題を扱っている。一方、ジェームズ=モンタギューの「億万長者サッカークラブ」は中東の出稼ぎ労働者のカファラ制度を取り上げている。どちらも現代の奴隷制度と言われている。 ふと、古代ギリシアの哲学…

2018年8月20日/如才無い故に所在無い

マンションに挟まれた古びた一軒家。モルタルの壁には共産党のポスターが掲示されている。 以前、一軒家の主と思われる老人がスーツに身を包み片手にノートパソコンを持った男性に熱心に声を掛けられていた。土地の売買の交渉だろう。元は一軒家の一階には工…

2018年7月1日/直接には関係せず影響を及ぼす

ふと空を見上げると雲の合間の月が眩しい。梅雨が明けた翌日の夕方、ランニングに出掛けると蝉の鳴き声が聴こえた。駅のベンチの前で横になる男性と、男性を囲む警察官を車窓越しに垣間見る。平野啓一郎の『ある男』を読み終える。長編ではあるが前作の『マ…

2018年6月17日/印象

学校で学んだ文学作品で印象に残るのは、山月記の他に夏の葬列が挙げられる。 中学校の選択科目の授業で教師が取り上げたのが、山川方男の夏の葬列だった。授業は時間を掛けて精読するというより、読んだ感想を語り合うものだったと記憶している。当時、何を…

2018年上半期の音楽

2018年上半期に聴いた音楽を以下の通りまとめた(→2017年の音楽)。 最近は金欠になり、音楽を購入して聴くことは無くなっている。定額制の音楽配信サービスも利用していない。 とは言え、今まで聴いてきた音楽を改めて聴く機会が得られたと思うことにしてい…

2018年5月20日/変身譚

死ぬこと以外に人間を辞める方法を考えると、山月記における李徴は虎になれて良かったのではないか。李徴の不幸は虎になった後、人間として意識を保っていたことである。人間として意識を保っていたのは、物語が成立するための要請であり、李徴が人間であっ…

2018年4月30日/変身譚

「気が付くと(省略)既に虎となっていた。自分は初め眼を信じなかった。次に、これは夢に違いないと考えた。夢の中で、これは夢だぞと知っているような夢を、自分はそれまでに見たことがあったから。どうしても夢でないと悟らねばならなかった時、自分は茫…

2018年4月18日/春の功罪

オレンジ色の夕陽が沈もうとしている。しかしながら、茨城県の片道一車線の高速道路の渋滞に巻き込まれている状況のため、余り完璧なロケーションでは無い。美しいと感じるのは自らの慰めのためでは無いかと思われた。オレンジ色の夕陽が美しいのは孤絶して…

2018年3月2日/オーバードライブ(所持金の下限)

午後11時、残業からの帰りにデジタルサイネージで戯れる石原さとみをぼんやりと眺める。何を話しているのかとスマートフォンを取り出して広告の動画を視聴したところ、石原さとみが東京マラソンの選手を応援する言葉を考え、画面越しに頑張ってと声を掛けて…

2018年2月7日/出会い系

コンビニでIQOS本体が販売されていたため、購入する。ちなみにIQOSはフィリップモリスが販売しており、煙草のブランドはマルボロになる。煙草を燃焼させると香ばしいシナモンスティックのような匂いがあり、不味いし臭いというのが第一印象であった。また、…

2018年1月10日/新本格ミステリー・ダーティハリー・三連休

綾辻行人の館シリーズを読み進めている。現在は第四作目「人形館の殺人」まで読み進めた。「人形館の殺人」において、梅沢事件なる説明があり、史実かと思いネットを検索したところ、島田荘司の「占星術殺人事件」が元ネタであることが判った。あとがきを読…

『ゲンロン2 慰霊の空間』

東浩紀編『ゲンロン2 慰霊の空間』を読んだ。 読んだのが一年以上前になり、印象しか触れる気は無いのだが、面白かったのは哲学者カンタン=メイヤスーの著書『有限性の後で』に関する千葉雅也と東浩紀の対談「神は偶然にやってくる―思弁的実在論の展開につ…

2018年1月2日/年の瀬の光景と新年の行動

乗り換えた電車で女性が座席に横になって眠っている。以前にも同じような光景を見たことがあったなと思う。今年で約10kgの体重の上昇があったため、上司と共に年末に向けて減量を目標にしていたのだが三日坊主となり、体重が約3kg増えるという残念な結果にな…

マチネの終わりに

平野啓一郎著『マチネの終わりに』を読んだ。天才クラシックギタリストの男性と通信社で働く女性の恋愛を描いた作品。舞台は東京、バグダット、パリ、ニューヨーク。40代の苦悩や世界情勢や思想を絡めながら物語は進む。当時は毎日新聞で掲載された後、note…

『スター・ウォーズ フォースの覚醒』

J=J=エイブラムス監督作品『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観た。何で『最後のジェダイ』が公開中のなか、『フォースの覚醒』を話をしているのかと思わず笑ってしまう。既に『最後のジェダイ』を劇場で観たが、1年半年後くらいに感想をブログに書くこ…

『デューン 砂の惑星』

フランク=ハーバート著、酒井昭伸訳『デューン 砂の惑星』を読んだ。当時、ドキュメンタリー映画「ホドロフスキーのDUNE」の公開前後で、本作の映画化が構想されたものの断念した云々といった話をTwitterで良く見掛けたことや新装版の発売が本作を手に取る…

『ゲンロン1 現代日本の批評』

東浩紀編『ゲンロン1 現代日本の批評』を読んだ。 もう読んだのがかれこれ一年以上前になる。 そんな中でも印象に残っているのは亀山郁夫・東浩紀・上田洋子の「ドストエフスキーとテロの文学」になり、亀山郁夫が「新カラマーゾフの兄弟」を書き上げている…

2017年の音楽

2017年に聴いた音楽を以下にまとめた(→2016年の音楽)。アルバムをCDなりダウンロードで聴いており、未だにApple Musicなり、Spotifyと言った有料配信サービスは利用していないが、twitter等を閲覧する限り音源が充実してきたという評判を目にするようにな…

2017年12月24日/肖像の人類学的解析によりそのルーツは霊長類としてのボノボ

乗るべき電車を間違えた事に気がつき、電車を乗り換える。最近全く運動していないこともあり、息が上がる。腹周りに付いた贅肉は手で掴める程ある。バスを降りるべき停車場に間違い無く降りたものの、目的地は川の向こう側にあった。印刷した経路図に目的地…

2017年11月20日/現代ギリシャのデフォルトと海上保険に関する考察

アリストテレス=ソクラテス=オナシス。ギリシャ人の実業家にしてミリオネア、二十世紀の海運王。何も金持ちを羨んだりしたいって訳じゃない、そうじゃない。彼が成功と金と名誉を手に入れただけでなく、古代ギリシャの哲学者の名を二つも有していることに…

2017年10月21日/投票の前に

私が住む自治体の選挙区は、希望の党の候補者が立候補しており、野党共闘が成立していない。そのため、自民党、希望の党、立憲民主党、共産党、無所属と投票先だけは豊富にある。週刊誌の記事を斜め読みしたところ、自民党の候補者の当選が見込まれており、…

2017年10月8日/3ヶ月後

気が付けば十月となり、先の雑記から余りに時間が経ち過ぎていた。七月の三連休の初日に出勤し、面談相手に軽くあしらわれるのも仕事の内なのだから、溜め息が出るというものだ。座席の仕切りに寄り掛かった美しい長身の女性。花柄のロングスカートからすえ…

2017年7月5日/台風一過

あさりよしとおの宇宙家族カールビンソンとるくるくを読み終える。リスのター君の布団叩きに笑ってしまった。筒井康隆の馬の首風雲録、おれの血は地人の血、パプリカを読み終える。どうも筒井康隆の小説は自らのリビドーを認識させられるところがあり、読み…

2017年6月27日/ロイド眼鏡と赤いスーツ

日曜日の午後8時40分、赤坂見附駅で隣に座ったロイド眼鏡を掛けた女性が電車を降りようとし、又、席に戻った。 日曜日の午後8時45分、四ツ谷駅で複数人の中学生が電車に乗り込んできた。 日曜日の午後8時47分、四谷三丁目駅で複数の中学生とロイド眼鏡を掛け…

2017年6月14日/年の半ばの息継ぎ

ミッキーマウスに彩られたかりゆしウェアを着た大学生の男女が電車に乗り込んでくる。女性が席を探し、仕方無く私の隣に座り、男性が吊革を握り、態勢を崩す。「この格好恥ずかしいかな?上着着よう。変かな?」「ズボンに入れれば大丈夫じゃない?でも、別…

2017年6月1日/1ヶ月間

杖をついた夫婦とその家族が電車に乗り込んでくると、隣の青年が立ち上がり、座席を譲った。「直ぐ降りますので。」と断られ、再度青年は座席に座り直す。私は何も出来ず、ただそのやり取りを眺めているだけだった。嘔吐物に塗れた青年が電車の座席に座り眠…